テンテンパー

地域の建設業の実情に関する緊急実態調査の結果について-国土交通省

  1. 公共工事設計労務単価が切り下がっていく状況を何とかしてほしい。
  2. マンション工事の支払条件は一般的に「テンテンパー」(契約時1割、中間時1割、完成時8割)が多く、また手形のサイトが長いなど支払条件が厳しいことから、こうした支払慣行を是正してほしい。
  3. 建設業が雇用の貴重な担い手となっている地方部では、しがらみや風評があり人員のリストラが難しいといった声や、厳しい労働条件とも相まって、若年層が入職してこない、入職してもすぐにやめてしまうなどの声もあった。
  4. 融資の申込みに当たり、代表者の個人情報である個人資産の明細や学歴も新たに提出を求められ、代表者に対し定期預金を担保として要求された。
  5. 従来、短期資金の借入れは地元企業ということで信用されていたが、工事契約書、受注明細書、資金繰り表の返済計画の提出を求められる。
  6. 金融庁の審査が厳しいので、融資を厳しくせざるをえないと金融機関から言われている。
  7. 不動産等の担保にかかわらず、回収が見込まれる売上に対応する融資の申し込みには適切に応じてほしい。

[金融機関からの主な意見]

  1. 建設業に対する融資判断の基準を厳しくしていることはなく、以前と変更していない。建設業の業況の悪化により、基準をクリアする企業が少なくなっただけである。また、工事の減少により、融資の対象が減っただけである。
  2. 融資の審査に当たっては、昔からの取引があるといったことは特に考慮せず、新規の企業と同じように審査を行い、手持ち工事や決算状況、キャッシュフロー等を1件ごとに慎重に審査している。
  3. デベロッパーの倒産や収益悪化の影響で、建設業の回収条件悪化等が顕著であり、建設企業への融資は1件ごとに慎重に審査している。
  4. 個々の企業の規模に見合ったリストラや遊休不動産等の処分を行い、債務圧縮を行うべきである。
  5. 民間発注者との支払条件を改善し、出来高に応じた受け取りを徹底する必要がある。
  6. 建設企業に会計事務所を紹介したり、月次ごとにわかる決算をつくる体制づくりはお手伝いしたりしている。

[保証事業会社からの主な意見]

  1. 地元企業では、総合評価になかなか対応できないのが実態である。
  2. 借入金の返済が進んでいない企業が多い。過去のコンサルの指導によるのか、資産を処分すると銀行から金を借りられないと担保のない企業は考えているのではないか。