技術レベルも評価されず、報酬も低かった

「学校施設耐震化の動き」について|JSCA

  1. 地域によっては、耐震診断と耐震補強工事が円滑に進まない状況が続いている。
  2. 新築建物を設計する場合と比較し、耐震診断には多くの場合、対象建物固有の技術的問題がある。これらを一律とみなして発注されるケースが多く、(中略)工事着手に踏み切れない状況となっている場合がある。
  3. 構造専業事務所は下請けとしての存在で、技術レベルも評価されず、報酬も低かった。
  4. 技術力の裏付けのない競争入札での発注が多く、落札額が適正額を大きく下回っていたのが実態である。
  5. 昨年6月20日に改正基準法が施行されて以降、一定以上の技術力のある構造設

計者は設計業務や適合性判定業務に携わることで多忙を極めており、特に従来の
ような発注方式、低報酬の耐震診断業務を受託できる状況ではないと思われる。

  1. 現状の打開策
    1. 一定規模以上等の難易度の高い構造耐震診断は構造専門家の業務担当を義務付け、構造耐震診断業務の再委託を原則として禁止する。
    2. 耐震診断業務報酬を技術的難易度に応じた適正なレベルに引き上げる。
    3. 三者による診断判定委員会等の体制の再編成を行い、実質的な審査と判定期間の短縮が可能なものとなるよう改める。場合によっては、診断と判定の双方の実施が可能な、出向者を核とした臨時の大規模機関の設置も考えられる。