(仮称)統括設計一級建築士の可能性 その3

  1. 設計の統括機能について日本建築士事務所協会連合会では、「顧客・社会に対して継続的な責任を負っているのは建築設計、工事監理等を業としている建築士事務所であるとの観点から」個人では無く建築士事務所の適正化を提言していて、概ね実現されている。その提言の具体的な内容は
  1. 現行あいまいである管理建築士(事務所を登録する際に必置)の責任・権限を明確化し、あわせてその要件(実務経験、講習)を強化し、事務所の管理・責任体制を明確化する。
  2. 開設者と管理建築士が異なる場合、開設者は管理建築士の意見を尊重し、適正な業務の執行等に努めるべき規定を設ける。
  3. 元請・下請契約の責任の明確化:現行では契約書面なしに行われ、その責任が明確化していない下請の実態を改め、元請・下請の契約を書面化し、それぞれの責任を明確化する。
  4. 工事監理記録等記録の励行・義務化:建築士事務所の業務を書面記録化することは、建築紛争を回避・防止し、違反行為を防止する重要な鍵であることから、事務所業務に当たって極力書面記録化に努める。 (医師法第24条、税理士法第41条に類似規定)
  5. 現行の設計図書の建築士事務所での保存期間は5年であるが、住宅の品質確保の促進等に関する法律第88条の瑕疵担保責任の特例の関係上、10年に延長する。
  1. この団体の立場として当然の提言では有るが、統括設計者個人の認定資格へ発展させる考えは無いように思われる。敢えて言えば管理建築士が統括設計者。現行法では事務所の規模に係わらず一人の管理建築士だが、将来的に複数必要とされるような事には成るだろうか。

その1  その2