構造専門家の離職が出始めています
- 法の厳格化による書類主義は、安心・安全を担保しないだけでなく、技術者の創意工夫や伝統的建築の継承を認めない悪循環をもたらしました。
- 伝統構法による木建築が建てられない、工法によっては小住宅に大型建築物と同様の検査費用が強いられています。
- 「適判」制度により構造事務所の作業量と責任が増し、ハイリスク・ローリターンな業種となり、構造専門家の離職が出始めています。
- 改正建築基準法は次世代の日本の建築文化を消失させることにもつながります。
今後は慎重な建築確認審査が必要であることを踏まえた日程を立てるように、市町村などに勧めている
- 県内の公共施設の工事に遅れが出ていた問題で、年度内に完成予定だった4施設の工事が年度をまたぐことが17日、県のまとめで分かった。
- 諏訪市の片羽保育園は2006年7月豪雨の土砂崩落で園舎の一部が壊れた。新園舎は昨年8月に着工、今年2月末に完成予定だったが、建築確認が約40日遅れて昨年9月になったため、工事終了は4月末、使用開始は6月になる予定。
- 児童数の増加に対応する増築工事をしている長野市下氷鉋小学校も、今年2月の工事完了を目指したが、建築確認終了が5カ月延びた。新教室が使えるようになるのは夏休み明け以降。「以前から教室が足りず、やりくしている」
- 国交省は「ソフトはメーカーが作るもの」(建築指導課)
- 木曽郡木曽町で新築する消防団分団詰め所の完成予定が昨年11月下旬から今年5月中旬に、長野市信更公民館の建て替えも今年2月末から9月末に遅れる見通し。
- 県建築管理課は「今後は慎重な建築確認審査が必要であることを踏まえた日程を立てるように、市町村などに勧めている」
鋼材の大幅値上げ
東京製鉄(5423)は鋼材の大幅値上げを手掛かり材料に値を飛ばす 原料高もスプレッドは大幅改善
- 4月の国内販売価格が1トン当たり平均15,000円超の大幅値上げとなったことが材料視されているという。
- 東京製鉄(5423)の10時10分現在の株価は、63円高の1,246円。
- 原料スクラップ価格の上昇はあるものの、それを大きく上回る鋼材値上げにより、スプレッド(製品価格-スクラップ価格)が大幅に改善し、過去最高水準にまで拡大することとなる見通しが期待されているとのこと。
学科→科目
建築士試験の受験資格に係る国土交通大臣の指定する建築に関する科目及び建築士法第十四条第一号から第四号までと同等以上の知識及び技能を有する者に関するパブリックコメントの募集について
必修科目は9分野/一級は大卒60単位以上/建築士試験
- 国土交通省は、建築士法の改正に伴って見直す建築士受験資格の学歴要件について、大臣が指定する科目を盛り込んだ告示案をまとめた。
- 大臣指定科目は建築設計製図や建築計画、構造力学などの必修科目の9分野と「その他」で構成する。
- 4年制大学で一級建築士の場合は、必修科目30単位とその他の科目30単位の計60単位以上の取得が受験に必要な最低単位数として定めている。
- 大臣指定科目は2009年度の入学生から適用する。
- 同省は、4月13日まで告示案に対する意見を募集し、5月下旬に告示を官報に掲載する。
- 科目指定に当たっては、建築技術教育普及センターが大学などから個々の科目のシラバス(講義などの要旨)を取り寄せて、一定のレベルを確保しているかどうかのチェックを進めている。
- 告示の官報掲載後、全国の大学などを対象に説明会を開き、標準的な指定科目の内容を周知する。
- 告示案では、大臣指定の必修科目とその他を合計した建築士試験受験に必要な単位数を設定している。
- 4年制大学で一級建築士試験を受験する場合、60単位以上の取得が必要で、うち、30単位以上は9分野の必修科目でなければならない。
- 短期大学と高等専門学校は、必修30単位以上とその他科目10単位以上の計40単位以上が必要になる。
- 大臣指定の必修科目は、▽建築設計製図▽建築計画▽建築環境工学▽建築設備▽構造力学▽建築一般構造▽建築材料▽建築生産▽建築法規――の9分野。
- その他科目については、建築情報処理演習、建築造形演習、測量学実習、ランドスケープなどを想定している。
- 建築士試験の学歴要件は、構造計算書偽装問題への対応として改正建築士法で見直された。
- 改正法では、建築士試験の受験資格である学歴要件は、従来の「所定の学科卒業」という要件から、「国土交通大臣が指定する建築に関する科目を修めて卒業」に変更された。
中央指定登録機関
建築士法に基づく中央指定登録機関等に関する省令案に関するパブリックコメントの募集について
建築士を管理するための機関
施行:平成20年11月下旬
短工期化の差別化工法
超高層RC建築物1フロアを3日で施工/熊谷組ら、フルPCa床を共同開発
- 熊谷組はグループ会社のファテック、フジモリ産業(東京都品川区)と共同で、タワーマンションなど超高層RC建築物を1フロア3〜4日で施工できる「長スパンフルプレキャスト(PCa)床工法」を開発した。
- PCa化で工期短縮と品質向上を図るとともに、スラブの長スパン化により、多様な室内プランに対応できる。
- 現在社内で新工法の適用案件を検討中。
- 短工期化の差別化工法として積極的に技術提案していく。
- 床スラブをPCa化する場合、底面を部分的にPCa化するハーフPCa床版を採用するのが一般的で、この方法だと梁と一体化する際にトップコンクリートをスラブ全面に打設する必要がある。
- 水回りの床面を下げるためにスラブ底面に段差が生じ、意匠や段差部補強による現場作業量の増大も課題だった。
- 新工法は床スラブの底面から上面までのフルPCa化で、現場でのスラブ全面打設を不要にした。
- 底面は平らで、上面は水回り部分だけをくぼませる断面形状。水回り部分以外は、独自技術のサイレントボイドを採用することで、軽量化と遮音性能の向上を図る。
- プレストレスを効果的に導入するため、PC鋼線の曲線配線が可能なアンボンド形式を採用。
- スパン長の対応範囲は12メートル程度としている。
- 実用化に向け、スパン長10・5メートル、スラブ幅1200ミリの試験体(床厚さ=一般部310ミリ、水回り部200ミリ)で載荷実験などを行い、各種性能を確認した。
- 柱や梁、床などの構造躯体で工場製品が占める割合(コンクリ体積換算によるPCa化率)を試算した結果、ハーフPCa床版を用いた場合は65%程度だが、フルPCa床版の採用でこれが80%程度に上昇するという。
- 新工法はハーフPCa床版に比べ製品コストは上がるが、施工サイクルの短縮で人件費・労務費などを削減でき、概算の全体コストでは同等以下に抑えられるとしている。
「診断道場」
- 積水化学工業は自社で販売した住宅の点検体制を強化する。
- 取り組みの第1弾として、点検業務に携わる従業員を教育する施設「診断道場」を、全額出資の生産子会社の東京セキスイ工業(埼玉県蓮田市)内に設けた。
- 部材の知識に加え、リフォームが必要な場合の提案方法まで習熟させる。
- 年間約400人の点検業務員のスキルアップを目指す。
- 入居者に対する安全・安心対策を徹底するとともに、点検業務からリフォームの受注に結びつける。
- 積水化学工業は基本的に10年間だった住宅構造躯体と防水の保証期間を、1月から一部を除いて20年間に延長した。
- そこで、点検業務の体制を質と量の両面から強化するため、点検業務員を教育する施設を設けた。
- 東京セキスイ工業に設置した診断道場では、リフォームが必要となる外壁への塗装から始め、塗料や塗装の仕方などの基礎知識、リフォームの提案方法などを徹底的にマスターさせる。
平成19年度 第4回
平成19年度一級建築士の懲戒処分について(第4回)より一部抜粋
- 建築物(1物件)の構造計算の下請を担当した建築士として、構造計算書に不整合がみられる不適切な設計に関与した。業務停止1月
- 建築物(1物件)の設計者として、構造計算書に不整合がみられる不適切な設計を行った。業務停止1月
- 事務所登録の有効期間の満了後、更新の登録を受けずに、業として他人の求めに応じ報酬を得て設計等を行った。業務停止1月
- 自らが管理する一級建築士事務所に所属する技術者の業務について、その管理と適正の確保を怠った。業務停止1月
- 建築物(戸建住宅1戸)の設計者として、建築基準法第52条(容積率)に違反する設計を行った。業務停止3月
- 建築物の工事監理者として適正な工事監理を十分に行わなかったため、設計図面と異なる施工が行われた。業務停止3月
- 建築物(戸建住宅1戸)の設計者として、建築基準法第58条(高度地区)に違反する設計を行った。業務停止3月
- 建築物(戸建住宅1戸)の施工者として、建築基準法令に基づく確認済証の交付を受けずに、建築工事を行った。また、建築士事務所の開設者でありながら、建築主から設計等の依頼を受けた際、必要な書類を交付しなかった。業務停止4月
。oO( まるで恒例の何かの駆除のよう
適判審査の簡略化のため、あらかじめ設計プラン等をタイプ化する
- 小規模建築物等の適判審査の簡略化のため、あらかじめ設計プラン等をタイプ化する、いわゆる型式認定というものが検討されていますが、型式認定は今後の設計の合理化策としてどのように評価しますか。
- 設計の自由度を損ない、建築主の期待に応えにくくなる。
- 型式認定については期待する声は7%にすぎず否定派が77%と圧倒的に多い。
。oO( 審査の簡略化のために「タイプ化すれば良い」という考え方が、6.20を象徴するもので、修正も変更も不可という発想もさせたのだろう。審査の効率性だけが目的化されていて、どのような建築であるべきかという視点が全く無い。
。oO( 排ガス規制では目標値へ向かって創意工夫をし技術開発をした。6.20では創意工夫は否定され、ただ書類作りに没頭するだけのもので建築の質は落ちた。官僚にとっては同じ事なのだろうか。