天井に照明器具等のない構造が可能で安心して滞在できる

学校体育館改修に採用を/国交,文科両省に要望/日本膜構造協会

  1. 日本膜構造協会(石井一夫会長)は、国土交通省住宅局と文部科学大臣官房文教施設企画部に対し「学校体育館等の大規模空間の安全確保に向け膜構造の活用」を要望した。
  2. 両省が都道府県などの公立学校耐震化関係者に対し、学校耐震化加速を要請する「キックオフ・ミーティング」を開催したことを踏まえ、会合に先立ち要望したもの。
  3. 協会では「膜構造による体育館、膜屋根への改修は、膜体を透過する柔らかな拡散光により昼間照明が不要であり、平常時のスポーツ空間として優れているだけでなく、避難所としても天井に照明器具等のない構造が可能で安心して滞在できる」とし、改修時に膜構造の採用を求めている。
  4. 既存の体育館などの大空間に天井がある場合、地震時に天井や付帯物が損害落下する可能性があることから「あらかじめ膜天井に張り替える方法や、天井直下に膜材料または落下防止ネットを張る方法も安全確保の一方策」だとしている。
  5. 避難場所となる学校や体育館の耐震化を急ぐ情勢があるが、急ぐあまりブレース挿入などの耐震化で済ませることを懸念し、協会では今後も「膜構造による体育館の普及により、大規模地震での被害を少しでも軽減することを目指す」としている。