貸し渋りは実際に起こっている

中小建設業は「四重苦」/資金繰りなど議論へ/自民調査会

  1. 出席議員からは「中小建設業者は、(道路特定財源の)暫定税率失効、改正建築基準法の施行、原油・原材料高、『貸し渋り』の『四重苦』で深刻な状況にある」
  2. 全国建設業協会(前田靖治会長)が「地方建設業は、地域経済と地域そのものを支える存在だ。しかし、公共事業削減、貸し渋りなど資金調達の問題などもあって“塗炭の苦しみ"にあえいでいる」「改正建基法施行による建築確認の遅れや、原油や鋼材を含めた資材価格の高騰、道路関連税制法案不成立によって苦しさも極限に来ている。全建の会員企業数も3万3000社から今は2万4000社まで減少している。また昨年会員企業の430社が倒産した」
  3. 日本建築士事務所協会連合会(三栖邦博会長)は、改正建基法の影響を説明。日事連として要望した結果、制度、運用面で改善はみられるものの、
    1. 「ピアチェック」(適合性判定)の一層の簡素化、効率化
    2. 計画変更(設計変更)の取り扱いの円滑化
    3. 既存建築物を増改築する際の既存不適格(新耐震基準採用後の建築でも既存不適格が適用される点の改善)の問題――の3点が残された課題だと指摘した。
  4. 日本商工会議所(岡村正会頭)からは「中小企業のうち、地方の建設業が一番大変。資金繰りは良くなく、金融機関からは借り入れに対する担保の要請が強い。金融機関には長い目で見て対応してほしい」
  5. 出席議員からは「落札率が90%以上は談合と言われるが、根本的な問題は単価表の信頼性であり、その信頼性が高ければ落札率が100%でも問題ない。落札率90%以上というのがおかしいとなれば、そのしわ寄せは労働者にいく」「地元建設業は、災害時にただ働きしているにもかかわらず、国が災害復旧工事をランク別に発注しているために受注できない。ランクの見直しをお願いしたい」「貸し渋りは実際に起こっている。金融庁にはしっかりとした対応をお願いしたい」