関西ではシャープや松下電器産業

関西、産業素材が一段高へ――大型工場建設で需要増

  1. ビルの鉄骨や鉄筋に使う建設用鋼材は1月下旬から値上がりが続く。代表的なH形鋼や棒鋼は年初比3―4割高く、1トン9万―11万円ほどで取引されている。世界的な需要拡大で鉄鉱石や代替素材となる鉄スクラップが高騰。共英製鋼や住金スチール(和歌山市)などが価格を上げたが「値上げは浸透中で、上昇余地がある」(鉄鋼問屋)との見方が出ている。
  2. H形鋼の場合、関東よりも3000円程度高めで取引されている。建設需要は昨年の改正建築基準法施行の影響で全国的に低迷しているが、関西ではシャープや松下電器産業が薄型パネルの新工場を計画するなど設備投資が活発。「関東よりも取引市場の過熱感が強い」(中堅電炉)という。
  3. 木造住宅の壁などに使う構造用合板も値上がりが本格化する可能性がある。価格は標準品で1枚825円前後。4、5月から需要期に入る一方、大手の林ベニヤ産業(大阪市)などメーカー側は減産で需給の引き締めに動いている。「メーカーは市場の大きい関東への商品供給を優先する傾向がある」(合板商社)ため、品薄感が高まる可能性もある。