3,000人強 その3

JSCAの見解(2007/10/11)

  1. 構造設計一級建築士に限定される建築物は、構造計算適合性判定が必要な建築物と一致していて、日本全国で年間約7万件が着工されています。
  2. 年間一人当たり該当建築物が約10件がバランスとれたものになる。
  3. 構造設計一級建築士6〜7千人が妥当と考えられます。

耐震強度偽装事件とその後の法改正について
「構造設計一級建築士に関する意見書」

  1. 設計と証明が資格者に限定される建築物は、構造計算適合性判定が必要な建築物と一致していて、RC造は高さ20m超のもの、S造は4階以上、あるいは構造計算がルート2以上のもので、日本全国で年間約7万件が着工されています
  2. その平均延べ床面積は2千m2以下で、その大部分のものは特殊な創り込みを行うものではなく、標準的な構造設計が行われています。
  3. 私どもの経験および見聞では、これらの大部分の建築物は一級建築士登録後指導者の下で実質5年の構造設計実務を経験した者であれば、その者の責任において構造設計と監理が可能です。
  4. また、構造設計を指導者の横で真に研鑽を積んだ者が構造設計一級建築士となる制度であり、自称「私は自称構造設計もできる」という贋者を排除する制度であるべきです。
  5. そうであってこそ、一定規模以上等の建築物の設計において意匠設計、構造設計、設備設計にそれぞれの責任所在を明確にし、消費者保護に繋がるものとなります。
  6. 一級建築士で構造設計に携わっている者は、現在約1万人と推計されています
  7. この人数と上記平均的な構造設計に必要な能力を考慮すれば、新資格者である構造設計一級建築士は6〜7千人が妥当と考えられます。
  8. 構造設計一級建築士は、法適合証明を行うことになりますが、構造設計内容を理解せずして証明を行うことは違法行為であり、万一設計内容に過誤があれば、懲役刑も含む重い罰則も定められています。
  9. したがって、自身が設計に携わったものか、そうでなくても内容を充分に理解する必要が有るので、その人数が揃って初めて、年間一人当たり該当建築物が約10件、というバランスがとれたものになります
  10. 新資格者が過少であれば、プロジェクトを成立させるために資格者を証明者とし、構造設計者には無資格者をあてる、ことになりこれが常態となります。
  11. 証明者は高収入が約束され、構造設計者は能力に下限がない条件下の相変わらずの過当競争が残ります。
  12. また、法適合を証明する者が設計者ではないということは、建築主という第二者に対し第三者的存在はいるが第一者がいないことであり、これが常態となっては歪んだ制度と言わざるを得ません。
  13. 判定員の場合は修了考査を全て免除する同等認定とすべきです。構造計算適合性判定員は構造設計能力も充分にあるとの前提を認めないと、構造設計能力が充分でない者が構造設計内容を審査するという矛盾も生じます。

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