職務上の義務を果たしていた

静岡市マンション耐震偽装 静岡地裁初の口頭弁論

  1. 静岡市駿河区の分譲マンションの耐震強度不足問題で、建築主のTOKAI(静岡市葵区)が、設計業者や建築確認をした静岡市などを相手に約8億5680万円の損害賠償を求めた訴訟の第一回口頭弁論が18日、静岡地裁(宮岡章裁判長)であった。
  2. 被告は市のほか、設計者の「サン設計事務所」(静岡市駿河区)、構造計算をした「月岡彰構造研究所」(同)、施工者の三井住友建設(東京都新宿区)と建築士ら4人。
  3. 市とサン、月岡は争う姿勢を示した。三井住友建設は取材に対し「係争中なので答えられない」とした。
  4. 訴状によると、TOKAIは2001年12月にサンにマンション設計を委託。
  5. サンはTOKAIに無断で構造計算を月岡に下請け発注した。
  6. 月岡は期限に間に合わなかったため、強度不足を認識しながら誤った計算書を作成。計算結果を示す最終ページだけを修正し、市に提出した。
  7. 市は計算書の内容と最終ページの数値が一致しないことに気付かず、02年5月に建築確認をした。
  8. 三井住友建設は、設計図の誤りに気づかずにマンションを建て、03年3月に引き渡した。
  9. これらの関係者のミスにより、TOKAIは強度不足が発覚後、マンションの買い取り、解体を迫られ、多額の被害を受けたとしている。
  10. 市とサン、月岡の3者は答弁書で損害額について争うとした。
  11. また市は「当時の担当者は法律上必要な計算、検討を確認しており、職務上の義務を果たしていた」と主張し、責任を全面的に否定した。
  12. 三井住友建設答弁書の内容を明らかにしなかった。