バーリントンハウス馬事公苑

JSCAと第三者の検証では法適合性があるという事だが、国土交通省では行政処分を行う予定。これで良いのだろうか。

バーリントンハウス馬事公苑(世田谷区)の耐震性の調査結果について - 東京都都市整備局
不整合が生じた事実関係について

  1. 本建物においては、平成16年12月21日に確認済証が交付されて以降、計5回の計画変更の確認申請・確認済証(計6回)の交付がされている。
  2. なお、これまでの検証では確認図書の通りに施工されていれば建築基準法違反はなかったと見込まれるが、今後、都において精査を行う予定である。
  3. 一方、これらの変更と無関係に、構造に関する設計・工事監理に係る業務を受託した㈱構造計画研究所より工事施工者に対して複数回に渡って構造部材に関する変更指示や構造図面の発行がされていた。これらの指示の多くについては、構造計画研究所が構造耐力上、重要な変更ではなく、計画変更申請は不要と判断し、関係者への連絡がなされなかったことにより結果として、計画変更確認に反映されなかったこととなり、確認図書と現況建物との間に多くの不整合が生じた。

報道発表資料:東京都内の物件における耐震性の調査とその対応について - 国土交通省(世田谷区内の老人ホームの耐震性不足が判明)

東京都の耐震性の調査結果について - 構造計画研究所

  1. 建物の構造設計においては、設計者の設計方針や解釈の仕方、モデル化の仕方、使用ソフト等の違いによって、その計算結果に容易に差異が生じることがあり技術的判断に幅もあるのが現状であり、上記第三者B社による再計算結果でも保有水平耐力に問題がなかったことから、当社といたしましては、本件建物の安全性には支障はないものと認識しております。
  2. 現に本件調査報告の要請に対し建築基準法第12条5項の報告を行なう立場にある建物所有者は今回の法適合性判断の前提となった第三者A社による現時点での再計算結果について東京都に対し調査報告として提出しておらず、かかる状況下で東京都が性急に本件建物の法適合性について判断し公表することは当社としては納得できません。従って当社は引き続き東京都に対し法適合性判断の継続と見直しを求めている次第です。
  3. 当社は、当初より、原設計者として本件建物の安全性検証に最大限の尽力を行ってまいりました。社団法人日本建築構造技術者協会による本年3月18日付レビュー報告書においても当社の再計算結果は妥当であることが建物所有者に報告されております。また、東京都から調査報告の要請を受けた後、第三者A社による再計算に併行して当社が委託した別の第三者B社による再計算においても、本年11月5日、本件建物の耐震性については法適合性があるものとの検証結果が報告され東京都にも提出されております。

老人ホームで耐震性不足/構造設計者が変更指示
東京都によると、構造計画研究所から施工者に対して複数回にわたり構造部材に関する変更指示がされていた。この指示について同社は「軽微な変更なので届出をしなかった」と答えている。変更部分が軽微という点について国交省は「考えられないほど相当食い違いがある」(建築指導課)また「設計者側にメリットはなく、動機は不明」

耐震強度不足判明 世田谷区の老人ホーム
都は補強工事を行うなど違反是正を指導するとともに、設計者・工事監理者・施工者などの関与を継続して調査する。