「改正建築基準法は悪法か」 その3

  1. 6.20は何を目指しているのか。
  2. 建築確認とは、建築基準法には以下のように書かれている。
    1. 建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。
  3. 建築確認とは、法に適合しているかを確認する事。
  4. これは6.20でも変わりは無い。
  5. 行政では「認可」や「許可」と「確認」は使い分けている。
  6. もし申請された図書に問題が有れば、その申請は虚偽であったというような主張をするため「確認」という言葉を使うのかも知れない。
  7. 6.20以前の構造耐力不足での訴訟では行政は「当時の審査方法で適切に処理されており、市の法的責任はない」と主張している(LINK)。
  8. 法に適合していないが審査に過失は無く責任は無いという主張。
  9. 6.20では基準を狭め申請書類を増やし審査項目を増やしているようだが、6.20以降に何かあった場合にも行政は従来通りの主張を繰り返すのではないか。
  10. その一つの現れが設計者に提出をさせる「安全証明書」。もし審査に責任が持てる成らば必要の無いもの。
  11. 安全証明書を取り上げて置けば行政として言い訳も立つという事だろう。この事に限らず全てに於いて申請書類は誓約書や念書のようなもの。事件が起き行政の心配が増えた分の書類が増えただけではないか。行政に責任を持ち込まれないための書類が増えた。
  1. 小川富由審議官曰く「構造設計一級建築士の制度が動き出せば、適判業務の簡素化も可能ではないかと期待しています。」(日経アーキテクチュア2008年1月14日号より)
  2. 構造設計一級建築士に対しては4号特例を認め審査を省略する。
  3. 現在事実上不可な設計変更については、多くの実務実績を持ち社会的信頼に値する資格者(専攻建築士、登録建築家、建築構造士、建築設備士を兼ねる建築士、構造設計1級建築士、設備設計1級建築士)が行う際、従来通り完了検査前までにまとめて変更の確認申請ができるようにすることを要望した(LINK)事に対して、国交省は、現在の混乱が落ち着いたら議論したいとの考えを持っている。(LINK
  4. 6.20で定められた審査は、認定する建築士に対しては省略する。
  5. 審査より人を認定する方向へ向かっている。
  6. 小川富由審議官はこのようにも言っている。(日経アーキテクチュア2008年1月14日号より)
    1. 建築士の数が膨れ上がり、行政による十分なチェックが行き届かなかった部分は反省点です。定期講習や設計図書のチェックなどを通じて、社会が安心できるようにしたい。」
    2. 「一握りの大企業を除く、中小企業が性悪という見方もあった。」
  7. 6.20は審査に責任を持つものでは無く、建築士を選別・認定する事が目的のようである。
  8. 建築士の選別・認定が行政の気に入る形に成れば、適判手続は簡素化され、変更手続なども従来のような形に戻される。