簡易な設計に変えている
- 住宅着工戸数減を招いた建築確認審査の厳格化について、建築士の団体がアンケートを実施したところ、建築士事務所の９割が「改善策が必要」と答えていることが１４日、明らかになった。
- 昨年６月に施行された改正建築基準法による住宅着工の激減を受け、国土交通省は政省令の改正など改善策を打ち出してきたが、設計の現場では依然として不満が根強いことが浮き彫りになった。
- 日本建築士事務所協会連合会が２月６日から１５日にアンケートを実施し、４４５の会員事務所が回答。
- 確認審査の停滞に対し、行政が講じてきた対策については、３９７事務所が「まだまだ改善策が必要」と回答した。
- 一定規模以上の建物について専門機関で２重に審査する「構造計算適合性判定」への不満が多く、判定対象となる建物の範囲を狭めるべきだとする意見が５割弱あった。
- 着工前審査（建築確認）に必要な期間は、適合性判定が必要な建物の場合、法改正前の約３倍になっているという。
- 建築基準法の改正について、建築士の９割が手続きの簡略化を求めていることが１４日、日本建築士事務所協会連合会のアンケートで分かった。
- 調査は昨年１１月から今年１月にかけて、全国５００の建築士事務所を対象に実施。
- 建築確認のための審査日数は平均６７日間で、旧法で定めた審査期間２１日を大きく上回り、改正法の延長期限の７０日間に迫った。
- 審査の進み方が比較的順調だったと答えたのは２８％で、６１％の事務所が難航していた。
- このため、審査が厳しい設計方法を避け、柱を太くしたり、本数を増やすなどの簡易な設計に変えていると答えた事務所が５６％にのぼった。
- 法改正後に国土交通省が改善策を打ち出したが、９０％が新たな改善策が必要としている。
