値上げは6月から|セメント

投資情報 | 5232 住友大阪セメント

  1. 国内セメント需要が見通しを下回る一方で、燃料の石炭価格が上昇しており、値上げも思ったほど進んでいない
  2. 同社は「不退転の決意」で値上げを行う、としているが、セメント業界を取り巻く状況は悪化している
  3. 国内セメント需要は、改正建築基準法の影響による住宅着工減少を受けて、数量ベースで前年実績を8〜9%下回る状態が続いている。
  4. 同社の国内セメント販売も、シェアこそ若干上がっている模様だが、前年割れであることは同じだ。
  5. 同社は3月にセメント販売店とのあいだで値上げを盛り込んだ新たな契約を結ぶ予定だ。従来は商慣行から口約束だったものを、今回は価格や納入期間を決めて書面化するという。値上げは6月からで、値上げ幅はトン当たり1000〜2000円。これまでは値上げを要請してもジリジリと上げるしかなく、結局予定通りの上げ幅を確保できずに終わる場合がほとんどだったが、「今回は違う。決めた値上げ額を通してもらうか、通さないなら取引を止めるか。中途半端はない、100(%か)かゼロかだ」(同)
  6. 何よりも、主戦場である国内の住宅着工減少がいつ収まり、セメント需要がいつプラスに転じるのかが不透明であることが、一番の懸念要因だ。