【改正建築基準法】「差し替え、変更できず」を窓口はどう運用するか−−改正法施行2日目ルポ｜ケンプラッツ

日本ERIの横浜支店。入り口に「6月20日以降は、申請図書の差替え、内容の変更はできません」との張り紙
「昨日の申請はゼロ件でした。21日も今のところ申請はありません」
「差し替え、変更はできず」とはいうものの、そのまま厳密に運用したら業務が滞りかねない。同社の場合は、以前から「事前点検」として、一定レベル以上の内容を満たした申請図書について、受理前に内容確認を行っていた。これを手厚くしていく方針
神奈川県は「仮受付」というやり方で対応する
「国土交通省の指針で示された受付時の審査に相当するもの。仮受付でとりあえず預かって、受理前に受付審査を行う方法が、審査する側も申請者側も、互いにとっていいだろうと判断した。この段階であれば差し替えなどの運用もできる」
神奈川県では20日、21日の2日間、仮受付という形で数件の申請を預かった
東京・世田谷区の建築審査課には、施行直前の18、19日の2日間だけで、通常時のひと月分に相当する件数の申請が持ち込まれた。施行後は一転して激減し、初日の20日はわずか1件
渋谷区の建築課では、施行前は1日10件前後あった申請が、やはり施行後はゼロ。申請図書の差し替えについての問い合わせが1件あっただけ
「申請の受理後に不適合が見つかった場合、本来ならすべて不適合通知することになるが、それでは再申請の費用がかかるのでトラブルも起きるだろう。現実的な対応としては、正式な受理の前に申請図書を1日か2日“預かる”形をとるつもりだ。例えば正本と副本の間に不整合がある場合などは、直してもらったうえで受理する」
横浜市も6月21日時点で改正法に基づく申請はまだゼロ件
「横浜市では、基本的に事前相談は行わない。ただし新制度に適合するための情報をホームページなどで発信している」