音響数値シミュレーション

第63回音シンポジウム「建築部位音響性能の数値シミュレーション」

  1. 近年、建築音響分野において波動音響数値シミュレーションは、室内音場や屋外騒音伝搬といった空間性能のみならず、建築部材の吸音・遮音・反射といった部位性能の予測・評価に積極的に活用されるようになり、従来の現場測定や実験室測定を支援あるいは代替する役割を担いつつある。
  2. その一方で、部位音響性能の数値シミュレーションにおいては、最大の難題として予測精度に直結する様々な建築部材の音響モデリング、具体的には音場の境界条件や振動場・吸音音場との連成系等の取扱いに多くの課題が山積している。
  3. 本会音環境運営委員会音響数値解析小委員会ではこうした技術的課題に関して従来の知見を網羅的に整理するとともに、予測精度検証のためのベンチマーク作成を進めてきた。
  4. そこで今般、本研究会では小委員会活動の最新情報を報告するとともに、建築部位音響性能の数値シミュレーションに関して今後の方向性と可能性について協議する。