スケジュールが読めず、着工ができないことも理由にされて現在、裁判中

改正建基法1年(1)/混乱は今なお収まらず、約8割が「業務に大きな影響」

  1. 「適判(構造計算適合性判定審査)が必要な物件の構造設計を抱えていると、その後の受注物件の予定がたてにくい。確認検査機関で仮受け付けになり、確認検査にかかる実質日数が大まかになり、その後の仕事の日程が組めない状況が続いている。適判物件を請け負わない方が安定した日程を組める現状からして、適判物件を避けた方がよいのではといった考えも生まれてくる」
  2. 「確認が下りない、着工が遅れるといった報道がされると、建て主の意欲がなくなるようだ。新築の予定が、許可が下りないからと改装工事になったりした。京都は景観政策の関係で、もっとひどい」
  3. 「改正基準法の施行以後、6件中4件が計画倒れとなり売り上げにも多大な影響が出ている。また、ある物件は申請が2007年10月にもかかわらず、自治体からの認可は2008年の2月末。約半年の間に鉄骨の価格高騰で当初の予算内に収まらず、建て主にも大きな影響を及ぼしている」
  4. 「建材メーカーによっては需要がないものを製造中止しており、計画変更確認申請をしなければいけなくなった。設計段階と工事段階での時間差がこのような現象を生じさせている」
  5. 「確認が下りないまたは長期化している責任を負わされ、監理料を減らされた。また、確認の出し直しになる料金や変更申請料を出してもらえずに自腹で支払っている。建て主による変更でも、時間がかかるのでこちらの責任にされることが多い」
  6. 「頓挫した計画で、設計事務所のせいだと設計料の支払いを断られ、確認申請完了のスケジュールが読めず、着工ができないことも理由にされて現在、裁判中」
  7. 「3月に、構造設計事務所に構造計算を依頼したところ、大臣認定プログラムで設計してもらった。4月末、確認申請を提出しようとした矢先に構造設計者から連絡があり、プログラムにバグが見つかったらしく、修正版のプログラムが届いたがどうしようかとのこと。構造設計者は、修正版でないプログラムを使って計算した書類をそのまま提出すれば、大臣認定プログラムで計算したものとしては扱われず、審査期間短縮の可能性がなくなる、と言われたそうだ。提出用に書類を3部用意してあったが、仕方なくやり直してもらうことにした。約750枚×3部+原本=計3000枚が無駄になった。このような事態に対して、誰がどのように責任をとってくれるのだろうか。大臣は、国交省は、何を認定したのだろうか。大臣認定にもかかわらず、不一致だらけだ」
  8. 「当社が設計・監理を担当している物件の施工者が工事の途中で破産した。改正建築基準法の影響で受注が激減したらしい」