戸建て向けで普及品に注力する

クリナップは普及品へ軸足移し、来期は営業黒字化狙う

  1. クリナップの今2008年3月期は、建築基準法の改正に伴う住宅着工減が響き、戸建て住宅向けの中・高級システムキッチンが苦戦。
  2. アパート・マンション向けの普及価格帯システムキッチンも落ち込み、売上高が前期から大幅に減少する。
  3. 主要な原材料であるステンレス価格はこのところ安定しており、広告費など販管費も抑制するが間に合わず、営業赤字幅が拡大する。
  4. 今09年3月期は、中・高級品を主軸とした販売戦略から普及品主体に転換して、増収確保を狙う。
  5. 従来、普及品はマンション・アパート向けが多かったが、来期はマンション向けの大幅な落ち込みが予想されるため、戸建て向けで普及品に注力する。
  6. そのための戦略製品も今春に投入する計画だ。
  7. 個人消費が伸び悩んでいる中で、消費者が購入する価格帯も下方シフトしている傾向があり、中・高級品から普及品に軸足を移す戦略は合理性がある。
  8. ただ、普及品は採算性が高いとはいえず、生産合理化などでどこまで利益率を改善できるかがカギとなりそう。
  9. 広告費を圧縮することで、販管費も削減、営業黒字化を狙う。
  10. ただし、来期も一定額の固定資産除却損が発生するため、最終赤字からは逃れられそうもない。