石州瓦の生産枚数が1億枚を割る|1974年以来33年ぶり

山陰中央新報 - 石州瓦の生産枚数が1億枚を割る

  1. 石州瓦工業組合(江津市嘉久志町、九社)の加盟社が二〇〇七年に出荷した瓦の総枚数は、前年に比べ19・6%少ない九千五百万枚だったことが二十八日、同組合のまとめで分かった。
  2. 出荷枚数が一億枚を割ったのは、一九七四年以来三十三年ぶり。
  3. 改正建築基準法の施行により、全国的に住宅着工戸数が落ち込んだことに加え、地元の大手メーカーの経営破たんが影響した。
  4. 同組合加盟社の出荷枚数は、一九七五年に初めて一億枚を突破。
  5. その後も住宅建築ブームに乗って順調に増加し、八七年には二億枚を超え、ピークの九四年は二億二千八百万枚を出荷した。
  6. しかし、九八年に二億枚を割り込んでからは、ほぼ毎年減少傾向にあり、〇七年は〇六年の一億千八百十万枚から二千万枚以上減少。毎月の出荷枚数も、すべての月で前年を下回った。
  7. 〇七年は改正建築基準法が施行され、全国の新設住宅着工件数が四十年ぶりに百十万戸を切るなど、業界には逆風が吹いた。
  8. さらに、同年七月には地場大手のアメックス協販が経営破たんし、秋以降も地場業者の生産中止があった。
  9. 三州(愛知県)、淡路(兵庫県)など国内の主要産地も同様に減少傾向にあり、業界内では生産機能の集約化など、経営の効率化を図る動きが活発化している。
  10. 石州瓦工業組合の佐々木惣三郎理事長は「業界の状況は厳しいが、組合として新商品や瓦以外の製品の開発にも積極的に取り組み、活路を開いていきたい」と話した。
  11. 「石州瓦」は昨年四月、島根県内で初めて地域団体商標制度に登録された。