四十社（３０・５％）で破たんの懸念／県工事談合賠償金
- 県発注公共工事の談合問題について、東京商工リサーチ沖縄支店は二十二日、談合を認定された県内建設業者に県が請求を予定している損害賠償金（契約額の１０％）支払いが業界に及ぼす影響の試算結果を発表した。
- 公正取引委員会に談合を認定された特Ａ業者で現存するのは百三十一社、賠償金総額は推計約八十八億円。
- これら企業の資金力を加味し、賠償金を一括で支払うことを想定した場合、四十社（３０・５％）で破たんの懸念が高まったり、資金繰りが深刻になる可能性が高いという。
- 企業体力への影響については、支払いに充当可能な現預金と有価証券残高の合計から、賠償額を引いて試算した。
- 赤字となって破たん懸念が高まるのは三十社、赤字にならないが資金難となるのは十社だった。
- 県は企業の財政状況に応じて五年の分割納付（無利息・無担保）を認める方針だが、分割を想定した場合でも、毎年の経常利益で賠償額を賄えない企業は五十六社あるとみている。
- 対象企業の中で、億単位の支払いが発生するのは二十七社で、最大は五億円規模。
- 賠償金支払いの必要がない企業は十七社だった。
- マイナス基調が続く公共工事に、改正建築基準法施行に伴う民間工事減少と、建設業を取り巻く環境は厳しい。
- 同支店の友利政人調査部長は「サブプライム問題の影響で沖縄への投資も減れば、建設業はマイナス成長となる可能性が高い。
- 賠償金の支払いで大手業者の負担が膨らみ、業界内で淘汰が進むことも十分考えられる」と、影響の大きさを指摘した。
