小規模建築物においても地盤調査や基礎の設計を取り巻く環境が大きく変わり

4号特例廃止に係わる事

「小規模建築物基礎設計指針」講習会

  1. 本会の「小規模建築物基礎設計の手引き」は、刊行以来、今日まで20年間にわたって小規模建築物の技術の発展に大きく貢献してきた。
  2. しかし、最近の法の整備により小規模建築物においても地盤調査や基礎の設計を取り巻く環境が大きく変わり、また、不同沈下の障害や造成宅地地盤のトラブル、最近の地震時の液状化による地盤・基礎の被害など、現行の「小規模建築物基礎設計の手引き」では対応が難しい問題も現れてきた。
  3. このような背景のもとに、今回、書名を「小規模建築物基礎設計の手引き」から「小規模建築物基礎設計指針」に変更し、内容もそれに相応しく改定した。
  4. 本指針は12章より構成されている。
  5. 内容的には地盤調査や直接基礎の設計はもとより、「施工・品質管理」や「基礎の障害と修復」、「環境への配慮」、「造成宅地地盤」も独立した章として扱っている。
  6. これらは、基礎の設計に直接的に係わる内容ではないが、読者の要望がきわめて多いことや基礎設計の初心者にとって、設計法だけではなく、その周辺の諸問題についても分かりやすく解説する必要があると判断したことによる。
  7. 本指針の大きな特徴として、直接基礎の設計において許容応力度設計法に基づく「構造設計」のほかに「簡易設計」を提示したことである。
  8. ここでいう簡易設計とは、計算による構造設計の結果を考慮して安全側に見込んだ標準図表あるいは簡単なチェック程度で設計が可能な方法である。
  9. 設計者は自分の判断により、いずれかを選択すればよい。
  10. また、本指針では、これまで、不明瞭であった杭基礎と地盤補強の違いを明確にし、地盤補強のみを対象に地盤改良や小口径杭の設計方法を示している。
  11. さらに、巻末には計算例も示した。
  12. 以上のように、本指針は小規模建築物の設計者および地盤調査や地盤補強工事の技術者にとって有意義な指針であると思います。ぜひ多くの方々が奮って参加されることを期待しております。