民間建物よりも優先して処理するなどのルールを作ってもいいのでは

改正建築基準法:今月完成予定の体育館、いまだ更地 卒業式、母校でできず - 毎日jp(毎日新聞)

  1. 公立学校の施設でも着工に遅れが出るケースが相次いでいる。
  2. 「授業や学校行事にも影響が出ている」
  3. 「欠陥のある建物を造らないために法改正は必要だった」
  4. 現行制度は、さらなる運用の改善を求められている。
  5. 宮崎県国富町の町立木脇中の体育館の新築工事現場は、今も更地のままだ。当初は2月中の完成を見込み、3月には新体育館で卒業式をする予定だった。
  6. 町によると、体育館は昨年9月に着工、今月に完成予定だった。
  7. しかし、昨年7月に県に建築確認を申請したところ「構造計算方法に疑問がある」としてやり直しとなり、現在も作業が続いている。
  8. 古い体育館は昨年の夏休み中に解体され、その後の始業式などは隣接する小学校の体育館を借りてきた。
  9. 体育の授業も屋外競技に切り替え、部活動は小学校体育館を間借りしている。
  10. だが、問題は卒業式。保護者も出席するため、小学校の体育館では手狭だ。卒業式はやむを得ず町立体育館で開くことになり、野田謙一校長は「新しい体育館で卒業式ができず、生徒はがっかりしています」と話す。
  11. 福岡県の川崎町立池尻中(鍋藤聖一校長、158人)では、体育館などの新築工事の着工が約4カ月遅れ、今月の完成予定が5、6月にずれ込んだ。
  12. 同中も卒業式と入学式を町立施設で実施するといい、町教委は「生徒はマイクロバスで送迎するが、最大の犠牲者は生徒たち」と語る。
  13. 早稲田大の石山修武教授(建築学)は「建築基準法改正で、民間のマンションなどの建築確認が慎重になるのは当然」とする一方、「学校は、災害時には避難場所にもなる公的な施設。建築確認の申請を民間建物よりも優先して処理するなどのルールを作ってもいいのでは」と話している。