建基法レベルの耐震性では東海地震で崩壊

浜松のマンション建設に住民が差し止め申請、建基法レベルの耐震性では東海地震に耐えないと主張|ケンプラッツ

  1. 静岡県浜松市中区で進行中の分譲マンション建築計画に対し、このほど近隣住民が建築差し止めの仮処分を裁判所に申請した。
  2. 建築基準法を満たすだけの耐震性では、東海地震発生時に倒壊する恐れがあると主張している。
  3. 計画地は浜松市中区城北2丁目にあり、近隣住民の団体「城北1・2丁目住民の命を守る会」(細野透代表)が仮処分を申請している。
  4. 同会によると、マンションは発注者がセキスイハイム東海(浜松市)、設計者がNEXT ARCHITECT & ASSOCIATES(東京・渋谷)で、施工者は未定だ。
  5. 鉄筋コンクリート造、地上5階・地下1階建て、延べ床面積5251m2、住戸数52で、建築基準法レベルの耐震性を確保する計画となっている。
  6. 「城北1・2丁目住民の命を守る会」はこの計画に対し、建基法レベルの耐震性では東海地震で崩壊して、近隣住民だけでなくマンション住民の人命も危うくすると主張している。
  7. 守る会の資料によると、敷地周辺は東海地震震度7が想定される地域であり、敷地は斜面の上部にあって地盤が弱い。
  8. 建物と地盤が震度7に耐える力を備えていることをセキスイハイム東海が証明しない限り、マンションを建ててはならないという仮処分を下すよう、静岡地方裁判所浜松支部に申請した。
  9. 仮処分申請の根拠として、最高裁判所が07年7月6日に下した欠陥マンションに関する判決を挙げている。
  10. 建物は発注者や購入者だけでなく、利用者、訪問者や近隣の通行人にとっても安全でなければならないと認定する判決だった。
  11. 裁判所が仮処分の申請を退けた場合には、近隣住民はセキスイハイム東海を相手取って、マンションが地震で倒壊した際の補償を約束させる訴訟を起こす予定だ。

最高裁判例 平成17(受)702

  1. 建物の設計者,施工者又は工事監理者が,建築された建物の瑕疵により生命,身体又は財産を侵害された者に対し不法行為責任を負う場合
  2. 建物の建築に携わる設計者,施工者及び工事監理者は,建物の建築に当たり,契約関係にない居住者を含む建物利用者,隣人,通行人等に対する関係でも,当該建物に建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき注意義務を負い,これを怠ったために建築された建物に上記安全性を損なう瑕疵があり,それにより居住者等の生命,身体又は財産が侵害された場合には,設計者等は,不法行為の成立を主張する者が上記瑕疵の存在を知りながらこれを前提として当該建物を買い受けていたなど特段の事情がない限り,これによって生じた損害について不法行為による賠償責任を負う。

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