保険制度を導入するには、“重装備”の制度にするほかなかったのです

日経アーキテクチュア 2008年1月14日号 国土交通省大臣官房審議官・小川富由氏に聞く 保険制度導入には“重装備”しかなかった より部分的に気になる部分を引用。引用部分は全て小川富由氏の発言。前後関係もあるため引用元を参照して下さい。 。oO( 部分が私の感想です。

一握りの大企業を除く、中小企業が性悪という見方もあった。

。oO( へぇー

制度設計に問題はなかったと思っています。

。oO( ほぉー

さらに将来、構造設計一級建築士の制度が動き出せば、適判業務の簡素化も可能ではないかと期待しています。

。oO( その際は性善説に戻すと。

「4号特例」の見直しについては、構造設計一級建築士には従来の特例を認め、一級建築士には認めない考えです。

。oO( 構造設計一級建築士は信用し図書省略しますよと。

みなし講習では、建築構造士が構造設計一級建築士に進む道を探っています。一方、一級建築士でない建築設備士が、みなし講習で設備設計一級建築士になれるというのは誤解です。

。oO( 「みなし講習」?

建築士の数が膨れ上がり、行政による十分なチェックが行き届かなかった部分は反省点です。定期講習や設計図書のチェックなどを通じて、社会が安心できるようにしたい。ただ、一級建築士を意図的に減らそうとは思わない。一級建築士試験の科目は変更するものの、レベルを変えるつもりはありません。制度としては大手、中小を問わず中立です。

。oO( ここで言う設計図書のチェックとは、確認申請図書のチェックの事だろうが、確認申請図書は設計図書のほんの一部であり、尚且つ法的な事が分かれば良いだけのものであり、それで建築の質をチェックする事には成らないが。

偽造事件を受けて、日本の建築界の国際競争力は厳しい状況にあると思う。いわゆるスター建築家も今は海外に出にくいのではないでしょうか。これからエンジニアリングに厳しい土壌で仕事をすれば海外からの評価が高まり、新たなビジネスチャンスに結び付くのではないか。国内だけ見ても、市場は縮小せざるを得ないのですから。

。oO( 法はある基準を示すだけのもので、エンジニアを育てる事は無く、特に具体的に事細かく決め過ぎればエンジニアリングの可能性を潰すものではなかろうか。その土壌ではエンジニアは育ち難い。エンジニアの評価が高まるだろうか。

資格を持つ建築士に任せなさいという議論があります。しかし、「社会から監視を受けて仕事をしているから建築士は安心だ」としなければ、独り善がりです。

。oO( 構造/設備一級建築士には任せる考えがあるようだが。

今の建築界は保険業界から信認されていない。保険制度を導入するには、“重装備”の制度にするほかなかったのです。欧米は制度が重いからこそ中古物件が流通している。

。oO( これで保険業界は納得するのだろうか。指定確認検査機関も賠償責任保険に加入するようだが、審査機関は信認されるだろうか。

もしも、審査を強化した仕組みや工事監理の仕組みがうまく機能しないというのであれば、現場での検査を強化するほかない。そうなれば、社会的なコストは増すでしょう。

。oO( 建設過程は一体であり、切り離せない。どれも欠かせない。比較の問題でも無い。

職人の技能が低下しているという話を聞きます。従来のような職人による現場合わせには、それほど期待できないでしょう。構造計算書偽造事件でも、現場の指摘で適切に修正した事例はなく、図面通りつくって耐力不足になりました。図面以上のものができるというのは幻想です。

。oO( 「現場合わせ」とはそういう事では無い。図面を実現するのが職人であり、職人の技能で左右もすれば実現もしない。設計図書の品質も勿論重要。建設には多くの人材が関わり、其々どれも欠かせない事で一体である。確認審査の厳格化で保険業界から信認を受けるという事だろうか。確認申請は法的な部分の行政手続に過ぎない。又、新資格の構造/設備一級建築士には頼るという考え方もするが、その資格者の能力に係わらず欧米型の契約の概念ならば全てを「書類」で行う事では無かろうか。そのために確認書類も増やしたのでは無かろうか。特例を認め図書省略する事は「保険制度のための重装備」の考え方に反しないだろうか。