年次改革要望書 「規制改革および競争政策イニシアティブ」(規制改革イニシアティブ)

2008年10月15日

2007年10月18日
[パブリックコメント]
日本がパブリックコメント手続き(PCP)を履行する際、米国は、日本が行政手続法の影響を監視し、同制度の有効性を高めるための新たな措置を講じることを強く奨励する。
II-A. 現在のPCP制度を改善するため、米国は日本に下記のことを要望する。
II-A-1. 十分なパブリックコメントの募集期間(最短30日間、基本的には60日間)を提供する。短期間の募集にする必要がある緊急な案件の場合、明確な説明を書面により行う。
II-A-2. 利害関係者が問題を分析し、意義ある意見を準備するために十分な時間が与えられるよう、規制案を可能な限り早い時期に公表する。
II-A-3. 省庁がパブリックコメントを十分に検討し、適切な場合はその意見を最終的な規制に盛り込むことができるよう、十分な時間を与えることを保証する。
II-A-4. 提出された意見に対し適時かつ意義ある方法で回答する。
II-B. 米国は、日本政府が引き続きPCPの履行調査を行い、履行に関する指針を発布することを要望する。さらに米国は、日本がPCPに関する行政手続法の改正の有効性の徹底的な評価に着手し、その評価結果を公表し、また、それらの結果に対して国民が意見を提出する機会を与えることを要望する。
II-C. 日本の行政手続法では義務付けられていないが、米国は、日本の省庁が利害関係者に対して法案作成の早い段階にその法案を認知し、意見を述べるための機会をさらに多く与えることを要望する。

2006年12月5日
[非親告罪]
II-A-3. 職権の付与 起訴する際に必要な権利保有者の同意要件を廃止し、警察や検察側が主導して著作権侵害事件を捜査・起訴することが可能となるよう、より広範な権限を警察や検察に付与する。
[天下り]
III-A. 利益相反天下りを防止する 商品およびサービスの調達に従事または監督する中央および地方政府機関の職員ならびに公社職員が、同職員等による入札談合活動ほう助の原因となる天下り制度によって引き起こされるものを含む利益相反に直面しないことを保証する対策を強化する。
III-A-1. 利益相反が入札談合を助長しないことを保証するために、所属する政府機関から請負実績のある企業への同機関職員の再就職を禁ずる規則を含む、公務員による利益相反を防止する法律および人事院規則を見直し、規則に違反する職員および企業に対する罰則を引き上げる。
III-A-2. 調達に従事またはこれを監督した国土交通省国交省)職員による利益相反を防止するために作られた同省の規則の有効性を改善する。
III-A-3. 諸官庁の人事部が、利益相反の規則および政策に違反する再就職を退職する職員に世話することを禁じる。

2005年12月7日
2004年10月14日
2003年10月24日
2002年10月23日
2001年10月14日

2000年10月12日
米国政府と日本政府は、住宅に関する多くの未解決の課題を解決するため協力してきた。4階建ての木造住宅許可などの日本政府が発表した措置によって米国は大変勇気づけられた。これらの規制緩和変革が、木造建築工事および幅広い種類の内装製品や機器の使用に多くの新しい機会をもたらすことを、米国は期待している。日本が既に取った措置は、以下に提案するさらなる規制緩和措置とともに、日本の消費者により多くの情報と選択肢を提供し、日本国民がより良い住宅を入手するのを可能にすることになる。

 米国が前回の要望書で述べたように、日本の住宅分野における長期的成長は、再販および改築市場の欠如、および質の良い借家の不足により制限されている。中古住宅市場の活性化は日本政府および日本の民間部門にとり優先事項であるべきである。

 米国は、地方自治体のネットワークでの限られた査定情報の提供など、日本における住宅分野のいくつかの面で情報技術が既に適用されていることを認識している。米国は、住宅分野で国および地方自治体の職員がさらに情報技術の利用を進めるべきであると考える。消費者のより早いより広範囲な情報へのアクセスは、利用できる製品の種類および質を高めることに貢献し、住宅をより入手しやすく、住宅分野をさらに環境にやさしいものにするはずである。

 米国は、日本政府が住宅分野における競争を阻害している過度の規制や、規定規制への依存を減らす努力をし直すべきだと信じている。以下の提言を実行することはこれらの懸念に対処し、日本が安全面で妥協することなく日本の住宅の質、値段および多様性を改善するという目的を達成することに役立つと考える。

T. 二次的住宅市場

T-A. 米国は、多くの日本人が、日本の住宅の質を著しく改善した1980年代の建築基準改正以前に建てられた住宅に住んでいることに注目している。品質の劣る住宅は、日本における二次的住宅市場の発展の遅れという遺物を残している。消費者が必要とする情報は一般には入手しにくく、また、差別的な金融政策および税制は、しばしば、消費者に対して唯一効果的に機能する投資選択肢として新築住宅を建てることを強いている。二次的住宅市場の発展を促すために最も重要なことは、消費者が可能な限り多くの情報にアクセスできることを確保することである。この点に関して、米国は、日本政府が以下の措置を講じることによって、住宅分野を首相のIT戦略のモデルとすることを提案する。

T-A-1. 日本政府は、2001年4月1日までに、地方自治体が資産鑑定に関する情報を、毎年、公表するのを促す措置を講じるべきである。このような情報は、例えばインターネット上で公表し、また、単に鑑定価格の公表に留まらず、可能な限り建物および土地に関する情報も提供することができる。そのような情報には、前回の販売価格、床面積、土地面積、部屋数およびそれぞれの面積、平面図、内装状況、電気・ガス・水道のタイプ、近隣に関する情報とそのデジタル写真等を含むべきである。

T-A-2. 日本政府は、2001年4月1日までに、地方自治体が新築および中古住宅の販売価格を適時に(販売開始から90日以内に)公表するのを促す措置を講じるべきである。

T-B. 活気ある二次的市場の成長を促進することは日本の消費者に住宅に関してより多くの選択肢を与え、また、既存の住宅を取り壊し、新しく建て直すという現在の慣行に比べ資源の浪費を少なくする。

T-B-1. 建設省は、2001年4月1日までに、高品質の既存住宅を維持・改修し、将来における再販売、再使用のために役立てることの環境に与える恩恵についての情報キャンペーンを開始する措置を講じるべきである。

T-C. 日本政府は、住宅ローンの返済条件と住宅関連税制および手数料を調和させ、消費者にとって既存住宅の維持・改修および購入が住宅新築に比べ、金銭的に何ら遜色なく、真剣な比較検討の対象となることを確保するために必要な措置を取る必要がある。

T-C-1. 政府の住宅金融公庫は、2001年4月1日までに、中古の戸建て住宅の再販に対する最長ローン返済期間を25年から35年に延長し、中古マンションの再販の場合と同様にすべきである。

T-C-2. 政府の住宅金融公庫は、2001年12月31日までに、不動産流通近代化センターと協議の上、新築住宅の価値を判断する際に維持・改修の重要さを正当に評価する基準評価方法を導入すべきである。

T-C-3. 日本政府は、2001年4月1日までに、既存住宅の販売に課せられる登録税を5%から0.3%に引き下げ、新築住宅に適用される税率と同等にするために必要な措置を進めるべきである。

U. パブリック・コメント手続き

 米国政府は、建設省が、住宅に関連する政令、省令、通知その他の関連規制の策定に関してパブリック・コメント手続きを使用していることを歓迎する。しかし、30日以内という意見提出期間は、複雑な規制の専門用語を翻訳をし、実質的な問題を分析し、適切なコメントを提出するためには不十分である。

U-A. したがって、米国政府は、建設省が2001年4月1日までに60日間の意見提出期間を導入するよう要望する。

V. 建築規制および基準

V-A. 日本政府は、建築基準法を性能規定型にするための準備を始め、前回の共同現状報告において、性能規定型条項を実施することを確約した。

V-A-1. 建設省は、2001年4月1日までに、建築基準法の特別使用建築物に関わる条項が性能規定型になっているかどうかを確認するため、見直しを行うべきである。

V-B. 1999年7月、日本農林規格法は、外国試験機関が日本農林規格制度(JAS)登録の格付機関や認定機関として機能できるよう、改正された。米国政府は、この措置を歓迎する。しかし、農林水産省は、その結果としてJAS登録の格付機関や認定機関として機能するためには、同等性の承認、つまり申請国の基準制度が、日本のそれと同じものであるという政府の承認を得なければならない旨、明記した。

V-B-1. 2000年12月31日迄に、農林水産省は米国の基準制度の同等性に関する肯定的な決定を下し、米国の試験機関が、日本農林規格制度(JAS)登録の外国格付機関や認定機関として機能することを認めるべきである。

V-C. 米国政府は、建設省が2000年6月に、構造的な性能や、不燃性、準耐火構造耐火構造内装材などの内装仕上材の評価に際し、ISOに定められた適切な試験基準を採用することに合意したことを歓迎する。

V-C-1. 日本で採用されている試験手順を考え、国際的な慣行との整合性を確保するためにも、米国政府は、建設省が速やかにISO規格の試験方法を採用することを要望する。

V-D. 適切な現場対応や、事前の構造設計が安全に対する懸案事項に対処するためであることを理解しながらも、建設省は、2001年12月31日までに建築基準法における防火目的の建築物の高さに関する仕様規定や容積制限を廃止することも念頭に置いて、見直しを行うべきである。

V-E. 建設省は、2000年7月に米国合板および構造用パネル団体(APA - - The Engineered Wood Association)から建設省に提出された最終報告書に基き、2000年12月31日までに構造用パネルと合板の同等性を是認することを検討すべきである。

V. 談合の排除

V-A. 公取委および警察庁は、独禁法あるいは刑法に違反する談合行為に関するそれぞれの捜査を強化するために、双方の協議の上で取られる措置について、法律の執行目的を阻害しない程度において、これを公表すべきである。

V-B. 法務省および公取委は、政府職員が、関わった違法行為に関して十分な責任を追求されるに足る厳格な刑事処罰・行政処罰の対象であることを確実にし、かつ、将来にわたってそのような行為の再発を適切に防止するための法律導入を念頭において、違法談合行為を現場幇助した政府職員を告発するために現行の刑法、独禁法、その他の法律が法的に適切であるか否かを検討すべきである。

V-C. 談合行為による過剰請求によって被った損害を確実に回収するために、以下の措置を講ずるべきである。

V-C-1. 自治省は、地方自治法(1947年、法律第67号)第242条に規定されている住民訴訟をより有効なものとするために、提訴期間 (訴訟提起期限)を延長し、さらに、地方自治体が不当な過剰請求を知った時点、あるいは当然知り得た時点から初めて、提訴期間を開始することを明確にするための法案を提出すべきである。

V-C-2. 法務省は、中央省庁が被った過剰請求について適用することのできる、地方自治法242条が規定する住民訴訟と同様な私訴制度を創設するための法案を提出するべきである。

V-D. 建設省および運輸省は、公共事業の入札に対する全ての参加者について、入札価格についての話し合い、あるいは他の参加者と入札に関して情報交換をしていないことを示す証書の提出を義務づけるための談合禁止行政プログラムを導入すべきである。そのようなプログラムには、偽りの証書に対しては適切な法的処罰あるいは行政処罰(指定の停止等)を課すべき規定が盛り込まれるべきである。

1999年10月6日
[定期借家制度]

  • 日本は、2000年12月31日までに、定期借家制度を導入するために、借地借家法を改正するべきである。改正の内容には、自動的建物賃貸借契約の更新の廃止(第26条)、建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件における「正当の事由」の廃止(第28条)、借賃増減請求権の廃止(第32条)が含まれる。

[性能評価]

  • 日本は、2000年12月31日までに、性能に基づく建築基準を施行し、防火地域および準防火地域外において、改善された防火材による4階建て、多世帯・多目的木造建築物の建築を可能にすべきである。
  • 日本は、2000年4月1日までに、特別使用建築物の建設に関する規制が、2000年6月に施行予定の性能に基づいた建築基準と整合するように、当該関連規定の見直しを行うべきである。検討結果は2000年12月31日までに一般に入手できるようにすべきである。
  • 日本は、2000年3月31日までに、国際慣行に従い、また、現行の延焼遮断要件の規模の縮小と防火壁の承認というすでに発表された政策に沿い、建築物区間における延焼遮断に関する代替規則を発表すべきである。防火壁によって分離された建築物区間は、建築可能面積の算出の際には、独立した建築物として取り扱われるべきである。

[フード・ディスポーザー]

  • 日本は、2000年末までに、必要な法的措置を講じ、フード・ディスポーザーの下水本管への直結の諌止または禁止を地方条例によって差し止めるべきである。
  • 日本は、2000年7月までに、防音天井タイル等の内装仕上材に関する合理的かつ安全な防火試験の要件として、国際基準を採用し、それらを非差別的で透明な方法で実施すべきである。
  • 日本は、2000年末までに、配管工事基準の整合化を促進するために、NSF61基準を水道法の水道構成部品基準と同等のものと見なすか、あるいは、日米両国に適用される共同認証制度を構築すべきである

[品確法][中古住宅・改築市場]

  • 日本政府は、2000年7月までに、中古住宅市場を活性化するために、不動産業界や公的および民間の貸付機関と協力し、資産鑑定評価制度を確立すべきである。
  • 日本政府は、2000年3月31日までに、住宅金融公庫が輸入製品を差別的に取り扱わないことを保証するために、住宅金融公庫の融資プログラムを修正するために必要なすべての措置を講じるべきである。
  • 住宅金融公庫は、2000年3月31日までに、中古住宅取得の融資に適用される最長返済期間を、新築住宅取得の融資に適用されるのと同じ35年に延長すべきである。

1998年10月7日
1996年3月の日本の「輸入住宅計画」は、日本の住宅の品質改善とコスト削減を目指すものである。その主な目標は、

  1. 米国式ツーバイフォー工法の建築規制を迅速に改正し、この種の工法で使用される製品の市場アクセスを改善すること、
  2. 「同等評価」といった手続きも含めて、外国の等級の認証を迅速化し拡大すること、
  3. 性能に基づく建築規制を可能にするために、建築基準法を改正すること、

[性能規定]
米国式工法 -- 1998年12月1日までに、国際的および北米の慣行に基づいたツーバイフォー工法の試験方法や手続きを公表すること。これらの規制の現行の草案に含まれている試験基準、特に、日本独特の時おり見られる湿気に関する試験基準を改定し、既存の国際慣行に沿ったものとする。
▼改正建築基準法の実施 1999年3月31日までに、改正建築基準法の以下の項目を実施すること。

  1. 準防火地域における多世帯用および多目的(住宅・商業兼用)の木造3階建て建築の性能に基づく建築基準。
  2. 工法および建材の試験データ(外国の試験データも含む)の受け入れや評価のための全国的に統一された制度。
  3. 地方レベルでの、建築関係の法規の一律の適用と遵守を確実にするための建築法規施行の新しい制度。
  4. 性能規定 -- すべての建築資材および建築構造が公正かつ公平に扱われるように、1999年11月1日までに、あらゆる建築資材(内装仕上げ用木材、屋根材、天井板、外壁板等)、建築構造(4階建て、多世帯・多目的、枠組壁工法等)に関して、性能に基づく規格を実施すること。
  5. JAS規格 1999年3月31日までに、合板の強度を含めた性能に基づく規格に重点を置いた、構造用合板に関する「日本農林規格」(JAS)を改正すること。

1996年12月24日(保険・補足)
1995年8月23日(自動車及び自動車部品)
1995年2月13日(金融サービス)
1995年1月25日(板ガラス)
1994年11月1日(医療技術製品及びサービスの調達)
1994年11月1日(電気通信機器及びサービスの調達)
1994年10月11日(保険)
1993年7月10日(日米の新たなパートナーシップのための枠組みに関する共同声明)
戦後日本政治・国際関係データベース