愛知県が控訴へ
行政が建築士法を作った目的は「行政事務の省力化」であり軸足は建築士側にあり、審査現場もそのように運用されて来た。行政としては過失では無く、行政システムがそう成っているという事だろう。奈良地裁では法不適合でも「やむをえない」との判決。
建築に限らず「技術者はどこからか連れて来ればよい」という言葉が有りますが、この丸投げのような風潮がどうなのか。姉歯さんへ丸投げしただけではないのか。その技術の事は分からなくとも事業主は自らの責任において姉歯さんを選定したのだろうか。なぜ姉歯さんだったのか。行政も資格制度や認定制度へ丸投げしていないだろうか。画家がこの絵の具が悪いとは言わないだろうし、彫刻家がこの石が悪いとも言わない。シェフがこの食材が悪いとも言わない。
耐震偽装:名古屋地裁判決に不服、愛知県が控訴へ
『事件乗り越えられる』 耐震偽装判決 再建奔走ホテル社長 逆境を原動力に
(愛知県曰く)
- 兼氏康博 建築指導課課長は「思いもよらぬ判決だ」
- 「ホテル側が見逃したとする審査対象は、法令に明示されていない」
(国土交通省曰く)
asahi.com(朝日新聞社):社説 2009年3月3日(火)地方の財政―経済危機を改革のてこに/耐震偽装判決―建築確認の責任の重さ
- 愛知県は「法令に適合するかどうかを確認するだけで、設計者の判断を審査する義務はない」と主張
行政の過失を認めた判決について国土交通省の言う「揺らいだ建築行政への信頼に、悪い影響が出なければ良いが…」はどういう事だろうか。過失を認めたという事は行政への信頼は上がるのではないか。
又、自治体に過失責任・損害賠償責任ならば、国には責任は無いという事に成り国土交通省としては助かったという事だろうか。