安全性への信頼低下で稼働率が下がった|賠償命令

  1. ホテル経営会社「ケイティエスホテルシステムズ」は「営業再開後も安全性への信頼低下で稼働率が下がった」などとして、建設会社「小野里工業」(前橋市)に3年間分の逸失利益など総額約2億4450万円の損害賠償を求めて提訴していた。
  2. 松丸伸一郎裁判長は判決理由で「耐震偽装問題が発覚する前の稼働率は約81%(1日当たりの収入約73万円)だったのに補強工事をして営業再開した後は約66%(同約59万円)となり、収益が減少。損害が発生した」
  3. ただ、松丸裁判長は「(稼働率が低下したのは)新たに開業するビジネスホテルが増えて競争が激化したなど、他の要因も考え得る」ため、6カ月間についてだけ損害の発生を認め、小野里工業に約1635万円の支払いを命じた。
  4. 訴訟前に小野里工業は、休業した約四カ月間の損害賠償金と補強工事費計約2億1000万円を負担していた。
  5. ケイティエスホテルシステムズは01年9月、ビジネスホテル「グレースイン前橋」(前橋市)の設計を含む計5億7800万円の建設関連工事契約を小野里工業と締結。小野里工業はコンサルタント会社、総合経営研究所(総研)を通じて、設計を木村建設(熊本県八代市)の関連会社「平成設計」に委託した。
  6. 裁判で、被告側は「設計監理を契約した『平成設計』に法的責任がある」と主張した。

建設業者に1600万円賠償命令 耐震偽装で地裁判決『ホテル収益に影響』
耐震計算偽造:グレースイン前橋の施工主に賠償命令 収益減を認定
「耐震偽装でホテル稼働率低下」地裁判決
耐震偽装の影響と賠償命令 ホテル減収で建設会社に
耐震偽装の影響と賠償命令 ホテル減収で建設会社に
耐震偽装で1635万円賠償命じる 前橋のホテル建設会社に