「長瀬旅館」250年に幕
- 同旅館は1754(宝暦4)年に創業。
- 木造2階建てで、幕末―昭和初期に築造された10の客室すべてに流水式の庭園を備え、飛騨高山を訪れた国内外の著名人を引き付けた。
- 近年は宿泊客の9割を、和の風情を求める欧米の個人客が占めていた。
- 黒字経営を維持してきたが後継者のめどが立たず、営業をやめることにした。
- 2階にある100畳の大広間は、数十年ほど前まで、市民が文化活動の場として頻繁に利用。
- 11代目当主の長瀬雅子さん(47)は「創業から家族で懸命に切り盛りしてきたが、これも時代の流れ。苦渋の決断でした」
- 敷地面積約2000平方メートル、木造2階建てで、8〜20畳の客室が1階に9室、2階に2室ある。
- 1階には滝とせせらぎ、樹木を配した日本庭園が六つ造られ、すべての客室から四季折々の庭が眺められる。
- 建物は国の伝統的建造物群保存地区にあるため、そのまま残す
- 雅子社長は、「パート従業員を含めて十数人で無借金経営をしてきた。のれんを守ることは大切なことだと分かっているが、体力が続かず、営業をあきらめることになった。断腸の思いです」