「無理」を強いる方策で解決しようする

建築学会/建築物の不具合発生要因で報告書/「無理」通る体質の改善を

  1. 建築物に不具合を発生させる要因として
    1. プロジェクトにかかわる関係者の情報連携不足
    2. 多くの関係者がプロジェクトにかかわることによる責任のあいまいさと情報連携の「ほころび」
    3. 建築プロジェクトが一度限りであることによるマネジメント対応の不備
    4. 工事監理業務の重要性に対する無理解
    5. 「工事監理」の定義の混乱
    6. 品質確保業務としての工事監理業務に対する発注者の無理解で工事監理に妥当な対価が支払われていない
    7. 発注者の無理な要求とそれを受け入れてしまう設計者・施工者の体質や姿勢
    8. 設計段階での発注者の不合理な要求
    9. 取引上の優位性を利用した発注者の過度な要求が日常化
    10. 建築プロジェクトに投資効率を追い求める発注者側の要求の高まりと、供給過剰を背景に発注者の無理な要求を受け入れてしまう設計者・施工者の姿勢の常態化
    11. 受け入れる側も、関係者すべてに「無理」を強いる方策で解決しようする姿勢が日常化している
    12. 設計図書の不備
    13. 設計図書に対する設計者と施工者の認識の相違
    14. 設計と施工の並列的遂行なども不具合の発生要因
    15. 熟練工と非熟練工が交錯する作業形態
    16. 現場管理の組織的エラーに対するぜい弱性
  2. こうした現状を社会に広く公開し、建築生産全体の問題として発注者と建築関係者がその是正に取り組むよう提言している。
  3. 品質リスクの負担は結果的に発注者や社会にはね返ってくる