00年以前に竣工した超高層ビルではほとんどが長周期地震動に未対応
大成建設/既存超高層ビルの耐震バリューアップを受注/新宿センタービルで実施
- 既存超高層ビルの長周期・長時間地震動対策工事で、国内初の事例となる。
- 同社保有技術の「長周期・長時間地震動対策構法(T-RESPO構法)」を使って、軸力制御オイルダンパーを建物に設置。
- 建物本体の柱・梁を補強することなく、建物の耐震性能を高める。
- T-RESPO構法は、オイルダンパーにバイパス機能を持たせることで、柱に伝わる軸力を制御するのが特徴。
- 柱や梁に圧着するだけで効果が得られる。
- オイルダンパーに制振ダンパーを組み込むことで減衰効果が加わって、地震による建物の最大変形を抑えることができる上、後揺れも低減するという。
- 夜間だけの工事でも1フロア当たり約1カ月で設置が完了する。
- 対策工事の工期は約10カ月を見込んでいる。
- 建物の固有周期は5〜6秒。
- 91年以前の超高層ビルは、4秒以上の長周期成分を持つ地震動で設計されていないが、近年の地震では長周期地震動が話題になる。
- そこでは00年に新基準が定められ、超高層ビルにも長周期地震動への対応が盛り込まれるようになった。
- ただ、00年以前に竣工した超高層ビルではほとんどが長周期地震動に未対応といわれ、同社によると高さ150メートル以上で約50棟ある。
- このうち同社が施工したのは約10棟あるほか、JVの下位構成員として施工に携わった物件もある。
- こうした既存の超高層ビルを中心に、T-RESPO構法の適用を働きかけていく考えだ。