柱本数25%削減
清水建設/CFT柱と免震構造を組み合わせ/高耐震性確保、柱本数25%削減
- 清水建設は24日、超高層建物向けに、CFT(コンクリート充てん鋼管)柱と、免震構造を組み合わせた構造設計手法を開発・実用化したと発表した。
- CFT柱の鋼管に、高張力鋼材を国内で初適用。
- 高耐力化したCFT柱と、免震構造を組み合わせた。
- 免震階の直上フロアでは、柱本数が従来設計よりも約25%少ないという。
- 横浜市西区で建設中の「富士ゼロックス新R&D拠点建設計画(CITYプロジェクト)」に採用した。
- 初適用された鋼管鋼材は、新日本製鉄が開発した高張力鋼「BT-HT400C」を使用した。
- 一般的な鋼材の降伏応力度が1平方ミリあたり325ニュートン(N)なのに対して、400Nと2割ほど優れているのが特徴。
- 板厚は22〜36ミリ。
- 高耐力CFT柱は、高軸力下でもスリム化できることから、従来の設計手法では直径1300ミリだった柱断面も、直径800〜1000ミリの円形または角形断面と、スリム化した。
- BT-HT400Cは降伏後の伸び性能に制限があるものの、免震架構に組み込むことで、実建物への適用が可能になった。
- 高張力鋼の使用は圧縮力に対する座屈という問題を抱えるが、CFT柱にすることで柱材として利用できる。
- 同社ではこのプロジェクトで免震装置を3階と4階の中間に設置したことで、4階部分の柱本数を大幅に削減。
- 従来手法では約70本必要な柱本数を、50本に減らした。
- 免震装置は高減衰ゴム系積層ゴム支承42台、弾性すべり支承8台、オイルダンパー21台を組み合わせた。
- 同社によると、柱の使用鋼材を従来手法に比べて約20%削減でき、建物全体の軽量化にもつながるとしている。
- 建物基礎工事も減少することから、二酸化炭素(CO2)排出量も10%削減するという。
- この物件の建物規模は地下1階地上20階建て延べ13万5268平方メートル。
- 基準階面積は約6000平方メートル。
- 新手法の適用で100メートル×33メートルの大空間を実現する。