長期的には強度不足となる恐れもある

溶融スラグ混入、生コン偽装 広がる恐れ

  1. 長期的には強度不足となる恐れもある。
  2. 国交省幹部は「想定外の事態で、姉歯事件のように影響が広がる恐れもある。早急な対応が必要と判断した」
  3. 砂は生コン1立方メートルあたり約0.8トン必要で、月産1万立方メートル前後とされる同社の場合、毎月約8000トンの砂を確保しなければならない。
  4. 同社関係者によると、形が整って使いやすい川砂などは近辺では枯渇し、大半は山から採取する山砂などを使っていた。それでも、粘土の塊を含んでいたり、水を余分に吸い込んだりして使い勝手が悪く、不正を知りながら「溶融スラグ」を混入したという。
  5. 同社では、溶融スラグの在庫を抱えた業者から無料提供を受けることになり、「コストダウンにもつながる」と判断し、昨年7月から、砂全体の10〜20%を代用していた。
  6. 経済産業省によると、砂を含む砂利の供給量は、ピーク時の1990年度の9億4900万トンから2006年度は5億4400万トンまで減少。「コンクリートに適した砂は限られるうえ、環境の面からもむやみには採取できなくなっている」(製造産業局)
  7. ゼネコン関係者は「混入を見抜くのは難しい。今回のケースに限らず、不正を誘発しやすい土壌はある」
  8. 桝田佳寛宇都宮大教授(コンクリート工学)は「同じような偽装があっても、コンクリートのはく離などが現れなければ見過ごされる可能性が高い。これまで想定されていなかった不正を、いかに発見し、排除していくかが大きな課題だ」