鉄鋼製品の高騰が続く中

住宅設計施工の山光が杉無垢材使った「新大スパン工法」開発

  1. 住宅設計施工の山光(矢板市土屋、東泉清寿社長)は、途中で梁を支える柱を設置することなく、従来の木造建築の二倍以上という奥行き(張間方向)二十メートルを実現する木造金物工法「新大スパン工法」(仮称)を開発した。
  2. 鉄骨造りに比べ価格面や耐久性、リサイクル性にも優れ、大型の倉庫や畜舎、工場などの建築が可能になった。
  3. 本年度十棟の受注を目指す。
  4. 新工法は杉の無垢材を使った縦二十一または二十四センチ、横十五センチ、長さ三または四メートルの通常の梁材を金属プレートとピンで接合し、従来の木造建築では八メートルが限度とされた、柱と柱の間の長さ(スパン)を大幅に延長することに成功した。
  5. 工法の強度については親会社のトーセンなど製材業者、建築構造士、県林業センターなどが参加する任意の研究グループで三年にわたり、各種の検証試験を実施。昨年六月に厳格化された改正建築基準法にも適合する強度が確認された。
  6. 大田原市内で現在、同工法による県内第一号の建築確認を取得した倉庫を施工中。床面積六百四十平方メートル、軒高五メートルの平屋建てで、張間方向は二十メートル。
  7. 建築費は千六百万円。山光の試算によると、鉄鋼製品の高騰が続く中、同規模の倉庫を鉄骨造りで建てた場合、建築費は二千万円かかるが、同工法の導入でコストを二割低減することができた。
  8. 部材の重量は鉄骨の半分の二十トン。
  9. 風通しよく利用すれば、鉄骨造りを超える三十−五十年の寿命が得られ、柱や梁はリサイクルが可能という。
  10. 東泉社長は「木造でもこれだけの建物が建てられるようになり、鉄骨造りより安い。切って、使って、植えるという森林循環を活発にし、地域林業を活性化させたい」と話している。

。oO( 木材と金物を組み合わせる事の長期的影響は検証されているのだろうか