行政は構造の審査を適判任せにしている

改正建基法1年(3)/運用や解釈にばらつき

  1. 「法の運用や解釈にばらつきがあるのは、改正前も改正後も同じだ。改正で審査のチェック項目が増えたのに比例してばらつきも増えた」
  2. 「適判で判定員の設計経験に基づく指摘を受け、その妥当性に疑問を感じるとともに、対応に苦慮している」
  3. 「適判判定員の個人差が大きすぎる。自分の考え方を確認申請者に押し付けたり、逆に構造関係技術基準解説書に書かれていないことを一切認めなかったりする。解説書に書いてあることだけを認めるのが適判なら、そんな機関は必要ない」
  4. 「適判の判定員は専属で常勤であるべきだと思う。構造設計者の副業というのはおかしい。審査される立場の設計者でありながらも、判定員の職に就くのは公平さに欠ける」
  5. 「行政は構造の審査を適判任せにしている。これではピアチェックになっていない」
  6. 「確認検査機関はダブルチェックといいながら、実際には構造の審査のすべてを適判機関に任せ、自分では全く見ていない場合がある」
  7. 「確認申請に必要な書類の緩和を知らない確認検査機関が結構あった」
  8. 国交省が審査基準を変えても、すぐには確認審査の現場に行き渡らない。計画変更をどのレベルまで軽微な変更と認めるかの判断は、担当者によってまちまちだった」
  9. 「行政庁と民間の確認検査機関で、確認申請図書の記述事項に解釈の違いがあって、民間のほうが過敏になっている。行政側に申請したほうがスムーズに処理をしてもらえる」
  10. 「民間機関は昔の行政庁のように判断がしゃくし定規だ。いまは行政庁のほうが柔軟な対応になっている」
  11. 「完了検査は法改正前と変わらず、ざっと見て終わり。行政庁は、確認審査が厳しくなったから完了検査は事務的でいいと考えているとしか思えない」
  12. 「確認審査が重箱の隅をつつくようであるのに対して、中間・完了検査はそれほど厳密ではなく、効果が疑問だ」
  13. 「中間、完了検査については、以前と何も変わっていないようだ。それほど厳格化されていないと思う。本来、現場の検査が最も重要であるのは明確な事実なのに」