今まで以上に多額の補助金が必要
- 輸入材との競争が激化し、80年ごろ4万円近かった国産スギの1立方メートルの平均価格は、95年に2万円前後となり、現在は1万2000〜1万3000円
- 山林1ヘクタールでスギを40年間育てた場合の収支を次のように試算する
- 現在の1立方メートル当たりの原木価格を1万3000円と仮定
- そこから市場での取引手数料8%(1040円)と、伐採・運搬経費(1万円)を差し引くと、山主の手取りは1960円
- 1ヘクタールで平均300立方メートルの原木を販売できるので、1ヘクタールあたりの総収入は計58万8000円となる。
- 植林初年度の経費は、1本90円の苗木を3500本植えたとして、原料費が31万5000円
- 植林や下刈りなどに延べ45人の作業員が必要で、人件費を1人1日1万2000円として54万円
- 初年度支出は計85万5000円
- この時点で収支は27万円弱の赤字となる
- 2年目以降の下草刈りなどの手入れ費用が40年間でさらに240万円
- この試算を基にすると原木1平方メートル当たり2万4000円以上の値がつかないと経費をまかなえない
- 実際、多額の赤字分は国や県の補助金で穴埋めしているのが現状
- 「業界の努力は限界に達している。安い輸入品との競争がある以上、持続可能な林業の実現には今まで以上に多額の補助金が必要だと思う。それが社会的に許されるのか、議論する時期がきている」