3分の2を処理できる|下水汚泥の燃料化
宮城県/下水汚泥を燃料に、造粒乾燥化施設が本格着工/全国初、来春に運用開始
- 宮城県が下水汚泥の減量化に向けて取り組む「下水汚泥の燃料化事業」用の燃料化施設建設工事の起工式が23日、宮城県岩沼市の現地で行われ、工事が本格スタートした。
- 施設は、下水汚泥を高い熱量が得られるよう造粒乾燥化方式で処理するもの。
- 下水汚泥の同方式での処理施設の建設は公的なものとしては全国で初めて。
- 運用開始は09年4月を予定している。
- 建設場所は、阿武隈川下流流域下水道県南浄化センター(岩沼市下野郷)。
- 総事業費は約13億円。
- 施設は汚泥造粒乾燥機械設備、脱水ケーキ搬送設備、脱臭設備、建屋などで構成。
- メーン施設の汚泥造粒乾燥機は、内部に積み重ねられた中空円盤状の伝熱盤と、おのおのの伝熱盤に対応しその表面に沿って回転するスクレーパーで構成。
- 汚泥混合機に送られた脱水ケーキは、汚泥造粒乾燥機内の伝熱盤上に供給される。
- 伝熱盤は、熱媒油で加熱されている。
- 乾燥機中心軸の回転によってスクレーパーが伝熱盤上に供給された汚泥を転がすことにより、乾燥と同時に造粒を行うことができる。
- 汚泥処理能力(脱水ケーキ換算)は1日当たり最大50トン。
- 県南浄化センターから発生する汚泥は年間約1万7000トンだからフル稼働すれば約3分の2を処理できる。
- 燃料化した下水汚泥は、建設地から約8キロ離れた日本製紙岩沼工場に燃料として売却する。
- 県は現在、年間約2億9000万円をかけて県南浄化センターから出る汚泥を焼却処理しているが、燃料化施設の稼働で年間処理費を約7000万円縮減できるとしている。