「建設離れ」
人材確保へ初任給引き上げ、大手5社で1万円/「建設離れ」苦慮、待遇改善も
- ゼネコン各社が若年層の人材獲得に向けた取り組みを加速している。
- 大卒新入社員の初任給については、大手5社のうち、鹿島、清水建設、竹中工務店の3社が08年度、大成建設、大林組の2社が09年度から1万円引き上げる。
- 待遇面の改善に加えて各社は、大学OBの社員を新人採用担当者に充てる「リクルーター制度」や会社説明会を充実させるなど、人材確保対策を強化。
- たび重なる不祥事で建設業に対するイメージが悪化している中、土木・建築を学んだ学生が他業界への就職を希望する「ゼネコン離れ」に歯止めをかけようと、試行錯誤を繰り返している。
- 日刊建設工業新聞の調査によると、待遇面の改善では、大手5社のほか、06年度から若築建設が2000円、07年度から長谷工コーポレーションが7500円、東急建設が2000円、それぞれ新卒社員の初任給を引き上げた。
- 五洋建設や東海興業も、09年度から1万円引き上げる予定。
- 戸田建設、安藤建設、飛島建設なども引き上げを検討している。
- 初任給に限らず、待遇改善を図ろうと検討を進めている会社もある。
- 西松建設では、試用期間が終了した新入社員に資格手当を支給している。
- ゼネコン業界は、談合など過去の不祥事が、新聞やテレビで繰り返し報じられたこともあってイメージが悪化。
- これが人材採用面にも影を落としており、優秀な人材を十分に確保できない状況が続いているといわれる。
- こうした中で各社は、自社のイメージを向上させるため、パンフレットやホームページを充実させているほか、学内就職セミナーや合同就職説明会に積極的に参加するなど、PR活動に余念がない。
- 優秀な人材を確保するための具体策として、大学OBを活用したリクルーター制度を充実させているのは、鹿島、大成、長谷工、戸田、安藤、鉄建、奥村組、りんかい日産建設、鴻池組、オリエンタル白石など。
- また、「インターンシップの継続」(長谷工)
- 「テレビコマーシャルの実施」(青木あすなろ建設)
- 「建設業の仕事を知ってもらうセミナーの開催」(フジタ)
- 「会社案内ビデオ、PR映像の制作」(東亜建設工業、東鉄工業)といった取り組みを進めるところや、
- 転勤を伴わない「地域限定社員」制度による採用を増やしたり、同制度で採用した社員の処遇改善などに取り組んだりする事例もある。