どのように回復をして設計図書等にするのか

冬柴大臣会見要旨(平成19年11月16日)
(問) 市川市超高層マンションで鉄筋不足が判明した件について、売り主側が施工ミスを認識した後も買い主に説明しないで販売契約を結んでいたケースがありましたが、それについてご所感をお願いいたします。
(答) 売り主から、適切な改修を行った上、契約上の期日である再来年の3月に引き渡すと報告は受けておりますけれども、今、安心安全は国民の最も大きな関心であるにもかかわらず、この度の案件で10月11日の施工ミスの発覚から約1ヶ月後の11月7日の新聞報道までの期間において、鉄筋が足りないという事実及びその改修計画等について説明あるいは告知を行わず契約を行ったということは、消費者保護の観点から極めて不適切な行為であると私は思います。またこうした重大な施工ミスの発覚後、新聞報道までの間、国土交通省に対しても何ら報告がなかったということも大変問題です。この建物はご存じのとおり60メートルを超える高さでして、大臣認定を建物毎に受けていただく対象の建物です。しかも今回の売り主3社は業界ではこれ以上の会社はないのではないかと評価される程のトップランナーです。このような不適切な行動をとられたというのはトップを走ってるという自覚に欠ける行為で、私は極めて残念でたまらないわけです。まず売り主として改めて業界のトップランナーであるという立場を自覚した上で、契約者等に対する誠実な対応に努めていただきたい。今後の対応状況については適時適切に国土交通省にも報告することはもちろんですが、買い主に対してまず謝り、そしてどこがどのように施工ミスがあったのか、これに対してどのように回復をして設計図書等にするのか、そして引き渡しの時期は遅れないようにできるのかどうか、こういうことを説明し納得していただくと。そしてこの件が法律上解約事由に当たるかどうかは別として、もし買い主が解約を希望されるのであれば受け取った手付金を返還するとともに解約に応ずるべきであると、そういう事案であると思います。
(問) 同じ件ですが、近隣の住民の方もたくさんいらっしゃるのですが、清水建設は会見などの公の場で今回の件に関してそういった方々に説明などをしておらず、業界の大手として説明責任という部分では大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答) あなたの思っていることと同じです。やはり専門家としてそれが強度に関係があるのかないのか、あるいは宅地建物取引業法上の説明責任義務を果たしたかどうかということとは別に、やはり周辺に住んでいる人達の不安や買った人の不安に対し、そちら側の立場に立って処理してもらわないといけないと思います。こういう100メートルを超えるような建物の周辺の人たちにとっては、建物に何かがあって壊れたら自分の方が大変なことになるというご不安があるわけですから、それを誠実に説明しなければならないと思います。
(問) 市川のマンションの話に戻りますが、先ほどトップランナーの3社に対してとても厳しいご発言をされました。報道や住民が改めて3社に対して厳しく追求していくことになると思いますが、3社の対応如何によっては、今後、国交省から3社に直接アクションを起こすことはあるのでしょうか。
(答) 我々は当初から、説明が遅れたことを言うとともに、「買い主にお詫びしながら、買い主の意思を確かめるように。」「会社の威信にかけてこれを乗り越えるのであれば、きちんと説明して対応すべきだ。」とずっと言っています。今急に強く申し上げたわけではありません。消費者の立場から見れば、完全に直ったとしても、そのようなことが分かれば説明するのが当たり前だということをすぐに言っています。また、私は今この場でも言っているわけですから。この3社は日本を代表する会社ですから、よくわかっていただけると思います。