手続きが異例の長期間になったため、結果的に改正法施行(6月20日)の直前に確認が下りた

【構造計算書偽造】「設計期間は十分にあったはず」、松田平田などが駆け込み申請を否定|ケンプラッツ

  1. 積水ハウスと建築設計者の松田平田設計は「確認申請は法施行前の駆け込みではなかった」と説明している。
  2. 積水ハウス広報部の高原一郎部長によると、改正建築基準法が施行される前、問題の物件と同クラスのマンションの確認手続きにかかる期間は1カ月か1カ月半程度だった。ところが、問題のマンションの確認手続きは、実際には3月13日から6月12日まで3カ月かかった。「手続きが異例の長期間になったため、結果的に改正法施行(6月20日)の直前に確認が下りた」(高原部長)。松田平田設計横浜事務所の白井達雄所長も同様の説明をしている。
  3. 高原部長は、「工期や販売の都合上、確認が早く下りたほうがよいのはもちろんだ。だが設計者に対し、改正建基法が施行される前に確認済み証を取ってくれという指示はしていない」と話す。
  4. 確認を下ろした東日本住宅評価センターの峰誠総務部長は、審査期間が長くなった事情として、申請図書の整合性に不備があり、一部の図書の差し替えが必要になったことなどを挙げる。峰部長によると、同センターの確認検査の業務量は当時、通常より約5割多かった。
  5. 確認申請より前に、松田平田が構造設計を構造計画研究所に委託し、同社が遠藤建築士に再委託したのは、06年11月〜12月だった。「時間がないから偽造した」という問題発覚後の遠藤建築士の言葉に関して、構造計画研究所コンプライアンス部の担当者は、「設計を急いでくれとは言わなかった。設計期間は十分にあったはずだ」と疑念を示している。