老朽化した信号機が倒れる

信号機倒壊相次ぐ 対策に遅れ
老朽化した信号機が突然倒れる事故が全国で相次ぎ、この5年間で27本の信号機が倒壊して、けが人も出ていることがNHKの調べでわかりました。東京では老朽化のため「交換の必要がある」と判断された信号機が5000本近くに上るなど、各地で財政難から信号機の交換が進んでおらず、警察庁は倒壊の危険性が高まっているとして点検の徹底を指示しています。
超音波での信号機検査 検討へ
NHKの調べによりますと、老朽化した信号機が倒れる事故は、今月、東京・品川区の住宅街で、高さが9メートル、重さが200キロを超える信号機が、柱の腐食が原因で倒れるなど、この5年間で16の都府県であわせて27件起きています。東京では、老朽化のため「交換が必要」とされた信号機がおよそ4700本に上っていますが、予算が限られているため、年に1200本程度しか交換できないということです。このため、警視庁は、倒壊のおそれがある信号機をできるだけ早く見つけるため、これまでのハンマーでたたいて強度を確認する検査に加えて、新たに超音波を使って柱の中のさびやひび割れを見つける検査の導入を検討することになりました。また、富山県警察本部が去年およそ300本の信号機のコンクリート製の柱にひび割れが見つかったことから全国で初めて「アラミド繊維」と呼ばれる弾力性が高い特殊な繊維を補修に使う取り組みを始めるなど、全国の警察は、信号機の点検や補修を徹底することにしています。