「厳格化」

確認申請が「厳格化」された。その目的の一つは、何かあった時に行政に保存されている設計図書や計算書で検証出来る事ではなかろうか。今までは、起こされる設計図書の内、限られた部分の確認用だけが申請され、その後の変更についての手続も緩やかで、何かがあった時の検証には、現場を確認したり、施工図を取り寄せたり、検証のための資料を揃える事が容易では無かった。場合によっては検証のためには不完全な場合もあるかも知れない。確認申請に必要な設計図書や計算書や書類関係は法で規定されているが、それは、それだけあれば検証可能だろうという行政側の皮算用ではなかろうか。全ての設計図書や計算書を提出させる事に抵抗感があるだけではなかろうか。行政としては、現場に建つ建築と寸分違わない全ての設計図書・計算書・施工図・竣工図一式を提出・保管が本音・理想なのかも知れない。行政の「厳格化」のもう一つの目的は、不正の抑止だろうが、書類だけでは、当然ながら実際に建設される現場の確認は出来ない。行政官による現場検査の充実も欠かせないだろう。工事監理者とその書類だけに頼るだけでは問題が起きるかも知れない。