第10回基本制度部会報告(案)に関するJIA見解

  1. 建築士法は1950年につくられ、戦争に敗れた我国の復興を担う技術者の法律として、極めて有効に機能しました
  2. 建築設計者、技術者は日本国内だけでなく、国際的な人材流動性の時代に国際標準とあわせなければならなくなってきました
  3. 現代日本の建築設計は景観の時代、地球環境の時代と言われる今世紀、安全はもちろん、美しく快適で、かつ長寿命な建築をつくらねばならないと思われます
  4. 建築産業も量から質の時代に転換しなければなりません
  5. 建築士という排他的で業務独占的な資格は極めて限定していかねばなりません
  6. 1級、2級、木造の建築士の総数が100万人を超えるということは極めて異常といえます
  7. 私たちは美しく、安全で快適な建築環境を責任と倫理観をもって設計する建築設計者をここで建築士の中からきっちりと認定し、国民に信頼される、わかりやすい資格としなければならないと考えます
  8. そのような設計者によって日本の建築・都市の形成を図れる、今回は最大の好機と思われます
  9. 既得権益を保持しようとする方向に流されず、信念をもって日本の資格制度を立て直していただきますよう、お願い申し上げます
  10. 新たに建築士となるものは、設計事務所で習熟したその実務経験のみを認め、役所や専門メーカー、生産現場等での実務経験は認めないことで、従来の「その他業務」も含めた建築士から建築設計者を収斂させていこうとする考えが読み取れ、この考えについても賛同するものである
  11. 建築事務所に所属している建築士と、そうでない建築士資格を持っているものとの相違はウの「建築士であることの確認・証明」に示されるツール、すなわち建築士免許証を顔写真入りの携帯可能なカード状のものと提案されているが、それでは国民にわかりにくいのではないか。きちんと名称を別に与えるべきではないか
  12. ある規模以上のものは構造家、設備家の参加を義務付けるという形がよい
  13. ある規模以上の建築物に特定構造建築士、特定設備建築士の業務を義務づけるのであれば、専門建築士を指示調整する特定統括建築士を認定する必要がある
  14. 確認申請段階での提出書類の中に、建築主との設計監理契約書の写しを添付することを義務付ける
  15. 建築主に対して「設計契約(設計料を明示して)をしていなければ確認を申請できませんよ」ということは、建築主の責任からも設計契約をしないで着工してしまうとか、サービス設計をさせてしまうということに対して極めて有効な防止策となると考える
  16. 官庁工事であっても所管官庁部局の差異はあるが、告示額の0.3〜0.5のところも多い