津波荷重, そで壁付き柱の構造性能評価に関する研究 etc

東京ヒートマップ(東京23 区のヒートアイランド状況が一目でわかる図面)を20 年度建築研究所講演会(平成21 年3 月6 日開催)で配付します
「建築物に作用する津波荷重のシミュレーション」

  1. わが国の津波被害については、平成5年の北海道南西沖地震による奥尻島が思い出されるが、今後、東海・南海・東南海地震等の発生によっては、再び大規模な津波に見舞われる可能性が指摘されている。
  2. しかしながら、津波に関する研究は主に土木分野で行われてきたため、港湾の土木構造物を対象としたものが多く、建築物に作用する津波の研究はこれまでなかった。
  3. 平成16年度に日本建築センター(BCJ)では「津波避難ビルに関する調査検討」において初めて建築物に作用する津波荷重について検討がなされ、その際に土木構造物を対象として求めた実験式(津波の浸水深の3倍高さの静水圧)が津波荷重として採用された。
  4. その後、BCJでは開口部を有する建築物に作用する津波荷重の推定式を提案した。
  5. 本研究では建築物に作用する津波の数値シミュレーションを実施し、上記の実験式と比較することでシミュレーションの妥当性を検討した。
  6. さらに、建築物前面の開口部の影響も調べ、BCJが提案した推定式を検証しその適用範囲を示した。


「鉄筋コンクリート造そで壁付き柱の構造性能評価に関する研究」

  1. 鉄筋コンクリート造建築物の多くでは、主要な構造部材の柱、梁に、そで壁、垂れ壁、腰壁、方立て壁が取り付いている。
  2. これらの壁の存在は建築物の構造性能に影響を及ぼすが、その度合いは壁の配置、形状、寸法等のディテールによって大きく異なる。
  3. なお、実際の建築物では多種多様なディテールが考えられることもあり、網羅的な評価法は確立されていないのが現状である。
  4. そのため、建築研究所では、そで壁、垂れ壁、腰壁、方立て壁が取り付く建築物の構造性能評価法の確立を目指し、検討を進めている。
  5. 本パネル展示では、その検討の一環として実施した、鉄筋コンクリート造そで壁付き柱の構造実験について報告する。