自分に都合の良い解釈をしてしまった

「JIS違反生コン、神奈川の196現場に納入」、六会コンクリートが謝罪会見

  1. 溶融スラグの混入とポップアウト現象の因果関係はわかっていない
  2. 小金井社長は「(問題となっている生コンの)納入先に説明に上がっている。個々の固有名詞を出すと、無用の混乱を招きかねないので、この場では差し控えたい」
  3. 入居済みのマンションで問題の生コンを納入していることを明らかにした
  4. 辻部長は自らが判断したことを認め、「JIS A 5308に規定がない骨材との認識はあったが、JIS A 5031に溶融スラグのレディーミクストコンクリートへの適用が書いてあり、大丈夫だと判断した。認識が甘かった」
  5. 溶融スラグを使用した理由について、辻部長は「神奈川県産の山砂の吸水率が増大するなど、品質低下で頭を悩ませていた時期と重なった。溶融スラグの吸水率は0.5%と小さく、昨年5月に実施した試験練りの結果も良好だったので、コンクリートの改善に役立つと考えた」「環境保全の一助になる。また、輸送費以外は無料でスラグの提供を受けられるため、多少のコストダウンに貢献できると考えた」
  6. 製造コストはコンクリート1m3当たり100円程度安く、全体で1000万円強のコストダウンの効果があった
  7. 辻部長は、元請けの建設会社が立ち会う試験練りの際には、溶融スラグを混入しなかったことも認めた。「混入する割合が、コンクリートの体積に対して約3%で量が少ないために省略した」「神奈川県産の悪い砂を置換したいという考えがあった。いい方向に改善するということで省略した」(辻部長)
  8. 辻部長は「昨年5月に試験練りをしたころはJIS違反という認識はなかった。今年6月にポップアウト現象が報告されてから、よく確認したところJIS違反になると認識した。自分に都合の良い解釈をしてしまった
  9. 神奈川県生コンクリート工業組合の飯田康勝理事長は、「今回の事態は重く受け止めている。今後の対応については、組合として調査委員会を立ち上げた。この場で、現在建っている物件の対応を検討したい」報道陣から「組合で同様の行為はなかったのか」と問われると、「同様の行為はなかった」と明言した
  10. 「JIS A 5308に該当しない生コンクリートを使用する場合、神奈川県土木工事共通仕様書の中で、その使用について監督員の確認を得ることとしているが、その確認を得ていないため、所定の品質、強度が確保できていない懸念がある」