「疲労破断」
- 事故機では、モーターやブレーキなどを載せている台座を固定するボルト4本のうち3本が折れ、台座がずれているのが見つかった。
補強部分が再び破損 名古屋のエスカレーター事故 不適切工事か
- 昨年九月に破損を見つけて補強した四カ所のボルト部分が再び破損していた
- もともとあった六本のボルトも一本を残して破損し、架台がずれてしまっていた
名古屋・地下鉄エスカレーター逆走:チェーンたるみ、ブレーキ不能か
- 駆動チェーンに緩みが生じたため制止するブレーキが働かなかった可能性が高い
- モーターなど機械部分の台座を固定する六つのボルトのうち三つが折れ、台座が反時計回りに数センチずれていた
- ずれに伴い駆動チェーンに緩みや空回りなど異常が生じ、ステップを動かすためのステップチェーンにも異常が伝わった
- チェーンが緩んだため、仮に歯車を止める作用が働いてもチェーンの緩み分は重みに任せて逆回転をしてしまい、制止できない
- もともとは6本のボルトで架台と骨組みを固定していた。このうち2本が昨年9月、モーターなどの振動による疲労で破断し、根元からちぎれるように折れていた。
- オーチス社は、この2本をそのままにした上で、破断個所近くの骨組みに厚さ2センチのL字形の鋼板を溶接、その上に架台とつなぐように2本のボルトを上から、別の2本を横から埋め込んだ。
- 7カ月後の今回の事故で、補強した4カ所すべてが破損していた
- 2カ所は、鋼板そのものが溶接個所の根元から外れていた
- もともとあった6本のうちの1本のボルト以外すべてが破損していたことになり、架台は反時計回りにずれていた
- この事故では、ブレーキをかける制御装置の鉄製台座を固定するボルト4本のうち3本が折れていた。
- 同社は昨年9月、「ほかの同型式のエスカレーターでボルトが折れる事例があった」と同市営地下鉄の同型式19基を緊急に調べ、事故の起きたエスカレーターで2本のボルトが折れているのを見つけ、鉄製の金具などで溶接補強した。
- 19基の制御装置の台座を固定するボルト(直径16ミリ)を「より安全にしたい」と、すべて直径20ミリのものに取り換える意向が同社から伝えられた。「部品をつくるのに時間がかかる」として交換時期は今年の3〜4月が示された
- 今回の事故後、昨秋折れているのが見つかった2本のボルトについて原因を市が同社に問い合わせたところ、「疲労破断だった」と回答があった
- 台座と土台を固定するボルト6本のうち5本が折れ、台座が数センチずれた。このため角度がずれてチェーンが緩み、モーターによる上昇力がステップに伝わらない状態になっていた
- モーターやブレーキが載る鉄製架台を留めていたボルト2本が折れたのは、モーターの振動などによる「疲労破断」が原因だった
- 架台はもともとボルト6本で固定していたが、昨年の破損時に折れた2本はそのままに、別の場所2カ所で溶接やボルトなどで補強。しかし今回の事故で、補強部分も含めた6カ所のうち5カ所でボルトが折れたり、溶接が外れたりしていた。