同様に積雪時の耐震性と構造計算に問題がないかを確認するため、近く調査に乗り出す

こどもの国“強度不足”受け 他の県施設も調査へ - NetNihonkai-日本海新聞

  1. 鳥取県は、こどもの国(鳥取市浜坂)の施設で積雪時の耐震強度が不足していた問題を受け、同施設の建築構造(混構造)に類似する一九八一年以降に建設された県施設十数カ所をピックアップし、同様に積雪時の耐震性と構造計算に問題がないかを確認するため、近く調査に乗り出す。
  2. 県は昨年十一月、埼玉県の「藤建事務所」の遠藤孝一級建築士による構造計算書偽造問題を受け、同建築士が関与した公共建物の耐震性を調べたところ、こどもの国の八施設で積雪時の強度不足が判明した。
  3. 県によると、特に基準の三分の一の強度しかなかったアーケード「こども大通り」は、鉄筋コンクリート製の柱と鉄骨と一部木造の屋根が別々に構造計算されていたことが、積雪時の強度不足を招いた原因。県も積雪加重が計算されていなかったことを見抜けなかった。
  4. このため県は、鉄筋コンクリートや鉄骨、木造など複数の建築素材を組み合わせた混構造と呼ばれる特殊な建物は、積雪加重が見落とされている可能性が否定できないとして、花回廊や県民体育館、倉吉未来中心アトリウムなど十数カ所の調査を行うことにした。
  5. 調査対象建物の診断結果が出そろうには、一年ほどかかる見通し。県管財課は「県発注の工事だから大丈夫という思い込みがあった。構造計算は県、業者、設計士が確認していたが、積雪加重を見落としていたことは真摯(しんし)に反省し、問題がないか点検する」と話している。