金物店はN50が置いてあるほうが珍しい

建築基準法違反のクギがあなたの家に使われているかも!?|ケンプラッツ

  1. 建築基準法では構造用合板を耐力壁とする場合、「N50」というJIS製品または耐力が同等以上のくぎを、150mmピッチで柱梁に打ち付けなければならないことになっている。にもかかわらずこの住宅では「PNF2150」という、N50より細くて引き抜きやせん断に弱い、梱包に利用されるくぎが、180〜230mmピッチで施工されていた。
  2. 構造用合板を耐力壁にする場合、くぎ打ち機が欠かせないが、くぎ打ち機に装着する針金でつないだ連結くぎのN50がいまだにそれ程普及していないという声もある。
  3. 九州にある大手金物問屋は「PNF2150は月に300〜400ケース出るが、N50は5〜10ケースしか出ない。うちの取引先の金物店はN50が置いてあるほうが珍しいだろう」と話す。
  4. 連結くぎメーカー大手のマックスで、N50の出荷数が増えてきたのも、わずか3〜4年前ぐらいからだという。
  5. N50くぎがなかなか売れない原因のひとつは、住宅会社の多くがくぎを“大工持ち”にする慣習を続けており、大工は経費を抑えるためにN50より安くて細いPNF2150のようなくぎを買いたがる傾向があるからだ。
  6. さらに、告示の仕様規定自体があまり知られず、これまで確認検査機関もそれほど重要視してこなかったこともある。
  7. 数年前までN50くぎを装着できるのは、ツーバイフォー用のくぎ打ち機だけだったことも、N50の普及を遅らせた。