偽造見逃しはなぜ起きた?

【構造計算書偽造】2度目の偽造見逃しはなぜ起きた?東日本住宅評価センターに聞く|ケンプラッツ

  1. 11月19日現在、耐震性が建築基準法に適合しているかどうかの判断は出ていない
  2. 偽装の一つは“直接入力”といわれているもので、161カ所ある。耐力壁や柱について、普通に計算すると「FD:せん断破壊する」と出るところが「FA:せん断破壊しない」となっている。結果的に4000以上ある部材のうち、実際に目で見てわかる偽装は40数カ所あった。全体の1%に過ぎない。言い訳になるが、当時、全部を見ていたわけではない。
  3. もう一つの偽装は、耐力壁の断面計算において、本来NGと出るべきところがOKと書き換えられている。“切り貼り”と呼ばれているが、単純に計算書を切って貼ったのではないようだ。編集ソフトを使えばできるのかもしれないが、これは見ただけではわからない。
  4. あまりにもきれいに計算が終わっているので安心してしまった
  5. 案件によって、全数をチェックするケースと、抜き取りでチェックするケースがある。
  6. このマンションは傾斜地に建つこともあって構造が複雑だった。場所によって土圧も違う。構造計算に入る前の建物の形状認識や、構造計算のモデル化に神経を使った。このチェックに審査の重点が置かれていた
  7. 計算して比較すれば見抜ける。ソフトをすべて用意して計算するのが偽装を見抜くためにはよいのだが、バージョン管理などが大変になってくる。
  8. 今回の建築基準法改正に対応した大臣認定プログラムは偽装できないということなので、そこに期待する部分は大きい。それ以外のものをどうするかは課題として残る。
  9. 当社としても「100パーセント偽装がないように見抜けますから、お任せください」と言いたい。しかし、いまの体制では難しい。
  10. すべてデータでもらって計算し直すという方法もあり得る。しかし、それが手数料に跳ね返っていかない限りは経営として成り立たない。